五輪の成功は日本人と日本社会の転換から―夢ビジョン2020文科省が公表

"OMOTENASHI"できる英語教育を
科学五輪を同時開催 五輪教材を作成
全校で海外姉妹校 ICT環境整備

 文部科学省は「夢ビジョン2020」を取りまとめ、1月14日、公表した。これは平成25年9月に下村文部科学大臣が東京オリンピック・パラリンピック担当大臣に任命された際、「2020年を新たな成長に向かうターゲットイヤーとして位置づけ、東京だけでなく、日本社会を元気にするための取り組みを『夢ビジョン』として打ち出し、社会総掛かりで実現していく」と表明したことを受け、「オリンピックにおける夢の実現は、社会的課題の解決にも直結する」という考えのもと、他府省庁に先駆けて作成したもの。

  「夢ビジョン2020」は、省内の中堅・若手職員が中心となって、省内アイデア公募や若手のアスリート、アーティスト、研究者、学生のほか多彩なコミュニティとの対話の中で取りまとめたもの。「オリンピックの成功は、日本人・日本社会の転換の上に成り立つ」とし、行動の指針となる標語を「オリンピックの感動に触れる。私が変わる。社会が変わる。」に決めた。

実現に向けて 予算化

  夢ビジョン勉強会では、「教育」「文化」「スポーツ」「科学技術」各チームに分かれて議論。「夢ビジョン2020」実現に向け、短期的に予算要求につなげる事業や、局・課の垣根を超えた事業の検討を行うとともに、コアメンバーを選出して春までに提案書を大臣に報告、平成27年度予算などに反映していく。

  元バレーボール選手・朝日健太郎氏は「アスリートやOBは、もっと学校などの支援を行いたいと思っている」と、学校とマッチングできる仕組みを期待する。また、書家・紫舟氏は「文化の力こそ、世界一尊敬されるニッポンになれる源」と意見。メディアアーティストの猪子寿之氏は「聖火リレーにスマホで参加」を提案している。

「2020夢大使」 全中学校を訪問

  アスリートや文化人、研究者らのクロストークを基に作成した「夢ビジョン」の提案は多岐に渡る。主な提案は以下。

■各界著名人を「2020夢大使」に任命。全中学校を訪問し、現在中学校1年の「オリンピックチルドレン」(中学1年、2020年に20歳)と交流。
■1市町村1国運動として全国の市町村が全参加国を応援。キャンプ地を全国公募、オリンピックツーリズムを実施。
■グローバル教育として、世界でタフに活躍するアスリートが感じた「日本人に必要なもの」を共有。
■日本文化として「運動会」をオリンピックのエキシビション「UNDOKAI」として紹介。
■IT技術を駆使。競技場外でのリアル競技・文化イベントを再現して観客もアスリートと競演するリアル・バーチャル・オリンピックを実施。
■五輪憲章の精神を学校教育に生かすため、五輪学習教材や教科横断的な学習指導資料を開発。
■OMOTENASHIができる英語教育を小学校から育む。
■世界中の学生が学びたくなる大学環境を実現。
■世界に通用する「職人」を育成。
■留学生交流を日常化。全ての学校で海外姉妹校を締結。ホームステイを積極的に受け入れ。
■学びを変える教育施設やICT環境を整備。
■先端科学技術を日本の魅力として発信。科学オリンピックを日本で同時開催。

【2014年2月3日】

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