eスクールステップアップ・キャンプ<西日本大会>西宮市立用海小学校

全学級25授業を公開
“ICT活用”きっかけに板書内容が向上

 西日本大会では西宮市立用海小学校(兵庫県)において全学年全学級・計25授業が公開された。西宮市では校務及び授業のICT活用を均等に進めており、タブレット端末導入も次年度に予定している。

  用海小学校の公開授業資料によると、全学級25授業のうち一斉授業は24、グループ学習は1。教員のみのICT活用が16と最も多く、課題提示、モデルや事例等紹介、授業の動機付けなどの活用が浸透している。提示機器はテレビや電子黒板、書画カメラ。デジタル教科書や教材、自作教材、グループ学習用支援ソフトも適宜活用している。

  児童・教師両方の活用は6授業で、児童の説明活動や自力理解を深める活動などが加わる。しかし、「一斉授業」と分類された授業の中にも後述の国語の授業のように、授業後半でタブレット端末を活用しつつ児童の協働活動を行っていた。

西宮市立用海小学校 西宮市立用海小学校

「伝えたいこと」は付せんでピックアップ

使いたい写真を選ぶ

西宮市立用海小学校 西宮市立用海小学校

タブレットでまとめる

授業の終わりは板書で振り返り

 

西宮市の良さを 協働でまとめる

  6年国語「ふるさと(西宮市)の良さを紹介しよう」。授業者は三崎淳一教諭。3〜4人のグループの中央にあるのは、付せんでいっぱいの情報ボードと2台の端末だ。付せんには、各グループのテーマに添った西宮市の「良さ」がピックアップされており、この日はその情報を、端末を活用しつつ整理。最終目標は紹介パンフレットの作成だ。

  前半は一斉授業で、情報の分類や整理の方法について学ぶ。教科書教材の「メモ文」を電子黒板に拡大して提示し、そのメモで何が分かるか、もっと知りたいことは何かなどを押さえてから、グループ活動で自分たちの情報を「残す」「捨てる」「まとめる」「追加」して、「デジタルワークシート」にまとめる。デジタルワークシートは後にパンフレットにまとめるための資料となる。

「宮水」の良さを 県外の人に伝える

  伝える相手は「県外の人」、「外国人」、「お父さん」などグループごとに「伝える相手」「伝えるテーマ」が異なっている。「伝えるテーマ」は、「宮水(みやみず)」「西宮神社」「甲子園」「文化・スポーツ」など様々だ。

  宮水とは、「西宮」の「わき水」だ。名酒の元で室町時代からの名水。水単体でも販売しているそうで、地元の人にとってはすぐに手に入る身近な水だが、県外人にとっては興味深い情報だ。

  授業の後半で、教員は、ある児童の「まとめ」を電子黒板に提示した。

  スライドショー化されており、西宮市の「夕焼け」「夜景」両方を提示することで「昼夜ともに西宮市の景色は美しい」ことを訴求。さらに、人気ドラマ「半沢直樹」で夜景が撮影された場所であることなども提示し、伝える相手の気持ちを掴む工夫が盛り込まれている。授業者は「意図をもってストーリーを組み立て、情報を選択している例」として紹介した。

板書内容が向上

  授業後のポスターセッションで、授業者の三崎教諭は、「タブレット端末は活用2学期から。ICTを授業に導入することで、板書内容が向上した。何を提示し、何を板書に残すのかを考えるようになり、意図をもった使い分けが明確になった」と報告した。校内での研修については「ミニ研修で活用方法を紹介し合っている。ICTが苦手という年配の教員の、それまでの授業経験を活かした活用内容に皆が感動し、職員全体の意欲が一層向上した」と述べた。

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【2014年3月3日】

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