教育委員会対象セミナー・京都 ICT機器の整備計画/校務の情報化

タブレット端末が言語力の育成に寄与ー亀岡市立南つつじケ丘小学校 広瀬一弥教諭

亀岡市立南つつじケ丘小学校 広瀬一弥教諭
亀岡市立南つつじケ丘小学校
広瀬一弥教諭

亀岡市立南つつじヶ丘小学校は、文部科学省事業により平成21年度、電子黒板を全教室に配備。平成25年からは、「京都府教育委員会学力向上システム開発校」として、タブレット端末(iPad及びWindows端末)を活用しながら「ことばの力の育成」や「21世紀型スキルの育成」をテーマに取り組んでいる。

iPadはグループ学習、Windows端末では1人1台活用を検証中だ。

修正・更新が容易 思考の可視化も

広瀬教諭は「タブレット端末は言語力の育成に大きく寄与している。映像とともに言葉で伝えること、容易にブラッシュアップできること、思考を可視化できることの3点において活用効果は明らか」と述べる。

4年社会科の「見学したことを伝える」学習では、自ら学んだこと、伝えたいことをタブレット端末にまとめ、テレビに映し、タブレットに書き込みながら説明した。映像を元に質問したり、他の観点から意見を述べたりする様子が見られ、話し合いも活性化した。

4年理科「秋の自然」では、課外での観察授業で、春、夏に同じ場所で撮影した写真と比較しながら季節ごとの生物の変容を見つけていく。

教室に戻ってからは電子黒板に提示しながら観察による発見をクラスで共有、さらに新たな気づきが生まれる場面も見られた。

6年国語科では、絵を見て感じたことや想像したことを、タブレットを使って自分の意見を可視化しつつグループで話し合った。

放送委員会では学校行事ごとに「音楽発表会ニュース」などのニュース番組を作成しており、タブレット端末1台で撮影、編集、公開まで行っている。仮編集の後再度見直し、より伝わりやすいニュースの作成に取り組んでいる。

タブレット端末での制作はブラッシュアップが容易だ。

タブレット活用で重要な電子黒板

いずれもタブレットを活用した協働学習になっており、言語活動の充実につながっている。なお、タブレット端末活用の際も電子黒板の役割は重要であると語る。

ICT活用によって児童の思考力や理解力に伸びが見られるようになり、ICT活用に抵抗感を持っていた教員の活用が増え、ベテランと若手や学年を超えた「協働」が見られるようになった。

亀岡市は平成25‐26年度がPC室のリプレイス期で、一斉学習、協働学習、個別学習それぞれの実現を意識しながら整備を進めている。

一斉学習を想定し、すべての教室に電子黒板機能付きプロジェクターと書画カメラを配備。協働学習を想定し、タブレット端末13台と移動用アクセスポイント、授業支援システムサーバ。タブレット端末はWindows8・1とした。

PC室と普通教室 異なる端末を整備

個別学習を想定し、PC室にデスクトップPCを40台。

PC室にタブレット端末+キーボードを導入して共用するスタイルが増えているが、PC室と普通教室では活用の方法と目的が異なることを踏まえ、破損しにくく有線LANでいつでも安心して使用できる環境が必要であると考えたことから、デスクトップPCにこだわった。

ICT支援員は、PC室更新時にパッケージ化して調達。2週間に1回の運用で授業支援の活動に限定している。

同校では10月23日、「ICT活用による言語活動をとおして思考力・判断力・表現力を鍛える」を主題とした研究発表会を実施する。公開授業は国語、算数、理科、特別支援学級。iPad、Windows8タブレット、電子黒板などの活用の様子が授業公開される。(講師=亀岡市立南つつじヶ丘小学校 広瀬一弥教諭)

【教育委員会対象セミナー・京都:2014年8月7日】

【2014年9月1日】

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