英語インタラクティブフォーラムで県知事賞を受賞<結城市立結城東中学校>

結城市立結城東中学校(茨城県)では英語インタラクティブフォーラムをきっかけに、英語で会話のできる生徒の育成を目指す試みを始め、フォーラムで最高位の県知事賞を2回、教育長賞を3回受賞しており、英語の成績も4技能ともに向上したという。授業の様子を根本愛子教諭に聞いた。

根元教諭
根本教諭

根本教諭は毎時間「チャットタイム」として、3人を単位としたグループ活動で学ぶ授業を展開している。音読、英作文、訳読もグループ活動で行い文法も会話を通して学ぶ。

「最初は暗中模索だったが、グループ活動の質が高まったころから県知事賞などを受賞するようになった」という。

英語の時間になると、生徒は教室の机を3人グループの配置に変える。机の配置は、インタラクティブフォーラム同様、3人が正三角形の形をとり会話の練習をするタイプA、3人の机をつけて、音読の練習や英作文相互添削などを行うタイプB、ペアの会話や単語練習などを行うタイプCなど、6形態がある。各グループにアンケート、テスト結果、自己及び他生徒からの推薦等をもとにして根本教諭から指名されたリーダーがいて、グループでの学び合いや様々な学習をリーダーがリードしていく。学習内容が難しい場合は、事前にリーダー会議をして学習の展開方法を各リーダーに理解してもらうこともある。

教材は、教科書を参考に根本教諭がアレンジしたオリジナル教材がほとんど。

グループ活動
3人グループで英会話。グループ活動成功のポ
イントはグループ構成にある

買い物や駅への道案内、Golden Weekなど身近なテーマで、対話をつなげるために英語で相槌を打つ練習、I like〜,Because 〜.などと理論的に話す練習、質問、自分の考えや情報を伝える練習などを重ねていく。4技能の総合力が求められるディベートも各学年の発達段階に応じたトピックで実施。I want to live in Tokyo.(2年生)、Living in the big city is better than in the countryside.(3年生)といったトピックで、必ず1人1回は発言することを条件に賛成、反対派に分かれて討論し合う。生徒は、(1)賛成(反対)の理由、(2)予想される反論、(3)反論に対する意見、(4)(3)の意見に予想される反論・総括をフローシートに英文でまとめていく。

have toやmustなど助動詞の学習では、根本教諭が母親、ALTが中学生に扮した「反抗期の中学生と母親の会話」の寸劇で、言葉の使用法を体得させた。

音読は、教科書ではなく抑揚・アクセントつきのワークシートを使っての練習でリスニング力を向上、英作文は互いに添削し教え合うことで表現力を磨く。ペア単語テスト、グループでミニフラッシュカードを使った語彙力強化練習もする。

こうした活動は成績にも反映され、茨城県学力診断のためのテストで4技能とも県の平均正答率をかなり上回った。

根本教諭は会話指導のコツについて、「まず、グループ構成を考えること。テストの成績は良くてもコミュニケーションが苦手な生徒もいる。そういう生徒ばかりでグループを組むと会話が展開しない。また、生徒が自分も話せるようになるといいなあ、と思うようなテーマを選ぶ。そして適度にアドバイスし話せたことを誉めながら指導していく」と話す。

【2014年11月3日】

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>>英語インタラクティブフォーラムで4技能を育む<茨城県> (20141103)

 

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