教育委員会対象セミナー・東京 ICT機器の整備計画/校務の情報化

7月5日、第31回教育委員会対象セミナーを東京で開催した。タブレットPC等ICT活用については千葉大学の藤川大祐教授、北区教育委員会の岡庭智憲指導主事、杉並区立天沼小学校の福田晴一校長、荒川区立ひぐらし小学校の山本洋校長が報告。校務の情報化については取手市教育委員会の横島信吾係長が報告した。
今年度のセミナー日程は教育家庭新聞Web(www.kknews.co.jp)へ

小中デジタル教科書モデル校で導入検証 北区教育委員会・岡庭智憲指導主事

活用研修で授業での活用実践増える

北区教育委員会・岡庭智憲指導主事
北区教育委員会
岡庭智憲指導主事

東京都北区は学習者用PCや電子黒板をいち早く導入するなど、他の自治体に先駆けてICT環境の整備に取り組んでいる。

平成27年度からは、5か年計画でタブレット型端末など新たな情報機器の導入に向けて動き出した。

平成27年度は小学校4校、中学校2校に各校120台ずつタブレットPCを導入。28年度に7校、29年度に7校の導入を予定しており、31年度には全小中学校に120台ずつのタブレットPCを導入予定。これに併せて無線LANの整備も進めている。

デジタル教科書は、平成27年度は小学校の国語、書写、算数をモデル校に、平成28年度に中学校の国語、書写、社会、数学、理科、外国語(英語)をモデル校に導入、各校で検証が進んでいる。

児童・生徒の学力向上策として、モデル校では「やるKey」(凸版印刷)も導入を始める。これはタブレット型端末を使って演習問題(デジタルドリル)に取り組むもので、今後は個別学習で「やるKey」を活用し、基礎基本の学習定着が進むかを探る。

教員のスキルも課題だ。「指導主事が学校訪問や研修会を行い、タブレット型端末でできることを教員に啓発している」と岡庭氏は語る。

年2回の情報教育担当者連絡会では「学校におけるICTの効果的な活用法」等、課題を各校で共有して情報教育の充実を図る。さらに、夏季休業期間に5日間のICT活用研修を実施。平成27年度は10講座に129名の教員が参加した。タブレット型端末を使った分かりやすい授業、学習のまとめや振り返りでの活用の仕方などを伝えている。

こうした取組が実を結び、タブレット型端末を導入した小学校から優れた実践事例が挙がっている。
6年生の国語科・総合的な学習の時間では動画編集ソフトを使って「自分の学校の良いところを伝えるCM作り」に挑戦。児童はグループで話し合いながら、ナレーションを入れたり、カットを入れ替えたりしながら、自分たちの伝えたいことがより分かりやすくなるように工夫しながらCMを作成した。

タブレットPCをうまく活用すれば、児童生徒が「多様な考えに気付く」「最適な考えや方法を追究する」「思考を整理する」「学級の全員が学習に参加できる」などの効果が考えられる。そのためには「まず使ってみること」というメッセージを発信している。

【講師】北区教育委員会・岡庭智憲指導主事

 

【第31回教育委員会対象セミナー・東京:2016年7月5日

【2016年8月1日】

1、千葉大学教育学部副学部長・藤川大祐教授2、東京都教育庁 総務部情報化推進担当・吉井英司課長
3、取手市教育委員会学校給食課管理係・横島信吾係長/4、北区教育委員会・岡庭智憲指導主事
5、杉並区立天沼小学校・福田晴一校長6、荒川区立ひぐらし小学校・山本洋校長

 

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