教育家庭新聞ニュース

保健室にインターネット

「心の教室」を整備

文部省の総合経済対策事業

 

衛星の送受信設備を教育センターに

光ファイバー利用の研究校、各県2校程度

政府は4月24日、経済対策閣僚会議を開ォ、16兆6500億円にのぼる過去最大の総合経済対策を決定した。このうち、福祉・医療・教育に1兆円の事業費を当てた。文部省関係では、中学生問題への対応が中心で、小中学校の「心の教室」整備事業の一環として、中学校の保険室にパソコンを設置しネットワークを通じて健康相談活動を推進。また、学校図書館にもパソコンを設置し研究を行うほか、高速の光ファイバーを利用する研究校を各都道府県・政令市2校程度設置。さらに、衛星通信を利用した研修などを行うため教育センターなどに衛星通信の送受信設備を整備する。なお、評判の良かった、国が光ファイバーの「回線利用権」を持ち全学校の玄関先まで光ファイバーを敷設するという郵政省の案はゼロ査定に終わった。政府は、総合経済対策の決定を受けて、補正予算案の編成に着手し、5月末までに成立を目指す。

 

文部省関係では、「心の教室」整備事業費として総額338億円。中学生のナイフ事件など、児童・生徒の心の荒れに対応したもので、内容は、@心の教室相談員等の配置A心の教室(カウンセリングルーム)等の整備。このうち、@では、約8000校に相談員を配置(33億円)。また、下記のAで心の教室を整備する学校の1部、15学級以上の中学校740校の保険室にコンピュータを1台ずつ整備(5億円)しインターネットにも接続する。

 これは、ネットワークを活用した健康相談活動を行っていくのが狙い。インターネットで情報収集したり、電子メールを利用し情報交換を行っていく。

 Aでは、10年度は3年計画の初年度として、2000校に空き教室などを利用して「心の教室」を整備する(266億円)。

 また、調べ学習などでの利用として、学校図書館の機能向上が求められている中で、学校図書館にパソコンを入れて106校程度で研究する。

情報化の推進として、高速の光ファイバーを使って、都道府県・政令市の2校程度の協力校(118校)で、活用方法の研究を行う(8億4000万円)。

 また、衛生通信を利用して、国立教育開館を拠点に、教員の研修や生涯学習関係の講座の開設・研究を実施する(約40億円)。このため、都道府県・政令市の教育センターなどに衛生通信の送受信設備を設置する。2年計画を想定、今回は約半数に設置する。

大学関係は、大学改革等に伴う施設の高度化などに取り組む。

 

(98年教育家庭新聞5月2日号から)