歌人の俵万智氏を迎えて

 

入選歌をリアルタイムに講評

 

東京都立田園調布高校に歌人の俵万智氏を迎え、第四回こねっと・セミナーが六月十二日行われた。四年間高校で国語を教えていた俵氏にとっては久しぶりの教壇。事前に寄せられた千五百首を超える短歌の中から、選ばれた十三首の入選歌について、テレビ会議システムのフェニックスを使って、俵氏が講評した。

 「友達に、彼氏出来たと告げられて、自転車のペダル 思い切り踏む」(会場から笑い)

 栃木県高校三年の大福地清美さんがテレビ会議システムを通して自作を読み上げると、自分の同じような歌を引き合いに出して「私のよりいいですね」と。

 「達人の 粘土ひとつに二本の手 ろくろまわせば無限の形」(宮城県高校三年金澤孝樹さん)

 「あじさいに 雨の親子がぽつぽつ とっても仲良し」(宮城県小学校六年福村麻奈史さん)

 「雨あがり 水つかまえた くものすを あぶなげにいく いっぴきのくも」(埼玉県中学校二年黒須祐介さん)

 俵氏はそれぞれを講評しながら、「身近かな所から歌をつむいで観察した良い歌がいっぱいありました」「こうして(テレビ会議で)同じ時間を共有できて楽しかった。人間同士のつながりが広がっていきますね」と述べていた。