来た来た!! 新教科「情報」
福岡県立戸畑中央高等学校 山原智先生
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教育マルチメディア新聞2001年11月3日号
 「ものをつくることが好きなんです」という福岡県立戸畑中央高等学校・山原智先生が「情報」で実践しているのは、3DCG制作。

 3DCGソフトを活用することで、回転体を変形・加工し、独創的な「ドリンク缶」を作成するというもの。

 山原先生は、今年度の日本教育工学振興会主催・第4回コンピュータ教育実践アイディア賞を受賞。「空き缶という環境問題を考えながら、造形を楽しむことができ、映像のアニメづくりも体験できる」とユニークな授業の実践に至ったという。

 対応する学習指導要領の内容は、情報Aにおけるコンピュータ・ソフトウェアの活用、情報Bにおけるモデル化シミュレーション、情報Cにおける表現方法の習得。さらに専門教科情報におけるコンピュータデザインや図形と画像の処理も網羅している。

 同校では、平成11年度より総合情報コースを開設。教科「情報」において、ワープロ実務検定やCG検定といった資格取得を目指しながら、情報活用能力を育む情報教育を実践している。また、同コースの生徒は皆マルチメディア部に所属し、授業はもとより部活動においてもCGなどの制作実習を行っている。山原先生は資格取得や部活動所属について「卒業後にも生かせるようなスキルや経験を身につけさせたい」と期待を示した。

 単元は全5時間。まず、自身の制作課題を明確にし、続いてソフトウェアの特性を理解する。そして制作作業を進めていく。頭の中でイメージしたものを、四面図への指示を通して立体化させる。またテクスチャーマッピングやバンプマッピングを用い加工していく。

 制作後は、ねらいや工夫した点、改善が必要な点について相互に評価する。またWebページをはじめとし、校内展示や、出身校や地域への作品配布を行い、生徒の問題意識の向上につなげている。
 さらにこの実習で制作したコンテンツや身につけた制作技術は、カレンダーやポスターの制作へと発展させるほか、Webページ作成実習、VisualC++を用いたプログラミング実習にも活用している。