2000年までに全学校をインターネットに

郵政省の懇談会が中間報告

 

 郵政省の「通信・放送の融合と展開を考える懇談会」(座長=那須翔・経団連副会長)は6月16日、情報通信基盤の整備やサイバー社会への対応などを内容とする中間報告をまとめた。

 この中で教育にもふれ、米国に比べ遅れている現実を踏まえ、「二〇〇〇年までに全ての学校をインターネットに接続することを政策目標として推進すべき」と言及。

 そのための諸施策として、@学校のインターネットアクセス環境を改善するため、サーバーの設置や校内LANの充実とともに現在平均三本の電話回線を増設・大容量化するAインターネット接続料金を低廉化するB膨大な情報の中から有用な教育・学習情報を整理して提供する検索型システムを構築するC教育用コンテンツの充実を図るD個人情報保護に関する条例を持つ自治体でも、その必要性と情報の共有化のメリットを比較検討する必要がある、などを指摘した。

 また、教職課程におけるマルチメディア知識・技能の修得、学校での情報活用能力、情報マナーの育成も合わせて重要であるとした。

 なお、情報通信基盤の整備では、「ビジョン21」で言われているように有線系と無線系、移動系と固定系の各種ネットワークインフラを継ぎ目なく接続し、「トータルデジタルネットワーク」を早急に構築する必要がある、と言及。また、情報通信ネットワークの高度な利用により、距離・時間の制約が取り払われた二十一世紀のサイバー社会では、生活、産業、公共の各分野で様々な変化が生じると予想。知的所有権の保護やネットワーク上の不正行為に、真剣に対応していくことを求めた。

 ※「ビジョン21」=今年四月に出された電気通信審議会の報告。二〇一〇年には20Mbpsの回線が、月額七千八百円程度で利用可能と試算。