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図書館

学校図書館を築く自治体の挑戦(4) 袖ケ浦市-1

2017年2月6日
連載

学校図書館を「学習センター」「情報センター」として活用した調べ学習や探究学習は多くの学校で行われているが、それを市全体で行っているのが、千葉県袖ケ浦市だ。子供たちの意欲を引出し、学びを継続させる環境作りについて、袖ケ浦市立総合教育センターで取材した。

調べ学習を市全体で継続 子供の意欲高める環境に

「袖ケ浦市調べる学習コンクール」の展示会
例年多くの人が訪れる「袖ケ浦市調べる学習コンクール」の展示会。じっくり読んでいく親子の姿も

学びの楽しさを知り自ら取り組む力を育む

袖ケ浦市は、調べ学習に力を入れることで、子供たちの「自ら学ぶ力」を育てている。その成果が顕著に表れているのは、全国コンクール「図書館を使った調べる学習コンクール」(主催=図書館振興財団)での上位入賞作品数だ。今年1月に発表された今年度の結果では、文部科学大臣賞を始め、優秀賞、優良賞などを受賞。同市の受賞作品数は例年、全国の中でも際立っている。

注目したいのは、同コンクールの地域コンクールで市が主催する「袖ケ浦市図書館を使った調べる学習コンクール」への小・中学生の参加率。今年度は、小学生が68・5%、中学生はさらに高く78%。市の教育委員会が特に全員からの出品を求めていないにも関わらずだ。

参加率が高い理由について、「調べ学習が普段の学習に定着しており、毎年作品に取り組むことで、調べ、考え、まとめる楽しさを知るからではないか」と話すのは、総合教育センターの前沢幸雄所長。「小学校低学年のうちは保護者や教員の勧めで取り組んでいても、中学生になると自ら進んで取り組むようになる」と語っている。

子供自身の喜びと身近な作品が刺激に

教育委員会学校教育課の小林隆幸指導主事は「子供自身が調べ、考えてまとめる、完成すると面白い、という学習形態は子供が生き生きする。その姿を目の当たりにすることは、教員の励みにもなる」と話す。「総合的な学習の時間」では、ビオトープで野鳥を観察し、調べ、図鑑にする、といった活動を子供たちは好んで取り組む。このような授業は小・中学校の各教科で普段から行っている。

調べ学習は普段の学習に定着
調べ学習は普段の学習に定着

一方で、「袖ケ浦市図書館を使った調べる学習コンクール」への参加は、年間を通じた1つの目標になる。「課題解決ができて嬉しい」という気持ちと、身近な同級生の中からコンクールの入賞作品が毎年出ることが相乗効果となり、子供たちの意欲を高めている。

地域コンクールは今年度で17回目。長く継続しているのは「裾野を広げ、多くの子供たちに取り組んで欲しい」という思いからで、それは着実に実を結んでいると言えそうだ。奨励賞以上の作品は市民会館で展示が行われるほか、優秀賞以上の作品はデータ化し、CD―Rで各校に配布される。”お手本”に触れる機会を多く設けることで、全体のレベルの向上にも繋げている。

前沢所長は「ハード面が早くから市内全校で一斉に整備され、学校図書館の活用が始まったことで、図書を活用した学習が市全体の取組として定着した」と話す。同市では学びの環境をどのように整えたのか。 (3月6日号に続く)



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