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体験学習のポイント

定置網の漁業体験
   徳島県・南阿波

南阿波よくばり体験 徳島県南部の海部郡6町が、体験型観光を推進していこうと「南阿波よくばり体験推進協議会」を立ち上げた。本四架橋の開通により、近畿圏からの交通も便利になった徳島に、自然の恵みを余すことなく体験・学習できるプログラムが用意されている。
 徳島は黒潮の流れる海に面していることから、磯観察やビーチウォッチングなどの自然体験が楽しめ、大浜海岸などではウミガメの産卵・放流も見ることができる。
 また、南阿波には出羽島、小津島、津島、大島といった島が点在し、そこでは黒潮の影響で亜熱帯の生態系がもたらされていることから内陸では見られない生物が生息し、亜熱帯植物が生い茂る。
 スポーツ・アウトドア体験をしたいという人には、海中生物が観察できるスキューバダイビングや、初心者でも楽しめるシーカヤックなどが用意されている。
 都会の子どもが、普段体験できない貴重なものとなるのが、漁業体験や農林業体験。定置網漁では、定置網の仕組みと魚の生態について理解しながら、黒潮が運んできてくれた豊富な魚を引き上げる。また、魚市場体験ではその作業を手伝うことで漁村の生活と水産物の流通を学べる。そして、田植え体験や稲刈り体験により、日本の主食であるお米や食糧問題について理解を深め、実りの喜びが分かち合える。
 さらに、食育という観点から、タケノコ料理などの田舎料理を作ることで、スローフードが叫ばれる前から伝わる自然の恵みと田舎の味が、身を持って感じ取れる。
 問合せ=南阿波よくばり体験推進協議会事務局(牟岐町役場) 0884・72・3420


雲仙での火山学習
   長崎県・島原半島

゛命”育むアグリ王国 長崎の島原半島では、火山学習やイルカウォッチングなどの体験学習が行えるが、そのプログラムの窓口となっているのが、島原半島体験型観光ネットワーク(がまだすネット)。希望するプログラムを申し込むと、インストラクター等の手配まで行ってくれる。

 その体験学習の大きな柱の一つとなるのが、農業体験。長崎県内で栽培されている農作物の4割が島原半島のものであることから分かるように、農業の盛んな地域である。そこで行えるのは、ハウスみかんの収穫や、玉ねぎの収穫など。また、繁殖牛を育てている畜産農家で、様々な作業を体験することができる。

 島原半島での自然体験で、注目されるのがイルカウォッチング。有明海の入り口にある早崎海峡は魚類の宝庫だが、これを餌にするバンドウイルカが400頭も生息している。イルカに出会える海域まで、専用の遊漁船や地元漁師さんの漁船に乗って見学するイルカは、水族館で見るのとは全く異なることから、このイルカウォッチングを修学旅行に組み込んでいる学校もある。

 高齢者や障害者の問題について考えたいという人に向けて用意されているのが「バリアフリーと健康プログラム体験」。電動スクーター乗車や手話教室、擬似老人体験など21種類のプログラムの中から選べるようになっている。

 また、雲仙災害記念館を中心に、平成新山の景観や火山関係の施設を、まるごと一つの野外博物館として捉えたのが「平成新山フィールドミュージアム」。噴火を体験した語り部の話を聞きながら、火山学習はもちろんのこと、自然と人間の共生を学ぶことができる。

 予約・問合せ=0957・75・0666 http://www.gamadas.jp

【2005年6月25日号】

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