【修学旅行出発式】歴史・文化に触れ 感性深める旅に

 昨年度は、東日本大震災の影響により地域や実施時期の変更を余儀なくされた学校もあった修学旅行。それを乗り越えて、今年度も多くの小中高校が修学旅行を計画している。5月には東京駅で、新幹線を利用した中学校の修学旅行出発式が行われた。

関東地区公立中学校 修学旅行委員会(5月8日関西へ)

修学旅行出発式

新幹線の安全な運行に感謝の言葉を述べる
新座市立第四中の山崎さん

 5月8日には、JR東海のホームで関東地区公立中学校修学旅行委員会(以下:関修委、事務局:公益財団法人全国修学旅行研究協会内)による「修学旅行専用電車出発式」が行われ、埼玉県の公立中8校、1172名が関西へ向けて旅立った。

  出発式に参加したのは、入間市立上藤沢中学校、富士見市立水谷中学校、新座市立第四中学校、久喜市立栗橋東中学校、上尾市立西中学校、川口市立里中学校、白岡市立南中学校、宮代町立前原中学校の学校長と代表者に加えて、東海旅客鉄道(株)から中田邦彦東京駅長他3名。

  式の冒頭で関修委の運営委員長を務める行田市立行田中学校の守屋勝利校長は、「第1便で出発する皆さん。先生、保護者、JR各社、旅行業者、旅館、訪問地の皆さん等、多くの方たちに支えられて実施されるものであることを、ぜひ忘れないでください。そして、素晴らしき歴史・伝統・文化・人々との出会い、仲間との絆をさらに深めるなど、感性豊かな体験をしてきてもらえればと願っています」と送り出した。

  8校を代表して新座市立第四中学校の山崎千秋さんは、「普段新幹線に車のように乗っていますが、皆様方がいかに安全に運行してくださっているかに感謝して、影からの支えに応えられるように一生懸命勉強してきたいと思います」と決意を述べ、午前7時47分発の専用列車に乗り込んだ。

  関修委の本年度の修学旅行輸送計画は、787校11万5703人で、そのうち関西方面が778校を占めている。これら計画輸送(連合体輸送)は、円滑な修学旅行の実施に必要な制度として行われている。

東京都中学校長会 修学旅行対策委員会(5月9日東北へ)

修学旅行出発式

西東京市立田無第四中の生徒から
JR東日本関係者に感謝の花束を贈呈

 5月9日、東京駅丸の内地下南口改札前では、東京都中学校長会修学旅行対策委員会(事務局:財団法人日本修学旅行協会内)による「東京都公立中学校東北方面修学旅行出発式」が行われた。

  東京都公立中学校の修学旅行は、東海道新幹線は修学旅行専用列車、東北新幹線は定期列車を利用しているが、今年度の東北方面の修学旅行は5月9日が最初の出発。西東京市立田無第四中学校の199名の生徒が午前9時40分発のやまびこ55号で東北へと向かった。

  出発式にあたり同委員会の小川達夫委員長(板橋区立板橋第五中学校校長)は、「昨年度は東日本大震災の影響で東北方面の修学旅行が思うように実施できない時期がありましたが、JRグループの方々の尽力により夏休み明けからは、ほぼ予定通りに実施できました。今日から始まる修学旅行が皆さんの思い出深いものになることを願っています」とあいさつ。

  続いて、生徒を代表して米内充希さんが「僕たちが東北に行くことができるのも、多くの方が復興に向けて頑張ってこられたおかげです。僕たちをお世話してくださる農家の方々も色々と苦労されていると思います。そのことを忘れずに農作業体験を頑張ります」と感謝の気持ちを述べ、JR東日本東関係者に生徒から花束が渡された。

  今年度、東京都公立中学校は東北・上越新幹線を11校1390名、東海道新幹線を532校7万3223名が修学旅行で利用する予定。

 

【2012年5月21日号】

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