助け合いながら体験活動―B&G体験クルーズ

476名が”ラストクルーズ”に参加

B&G体験クルーズ

ウミガメの放流を体験

B&G体験クルーズ

団結式であいさつする広渡理事長(上)
漁船でホエールウォッチングを楽しむ
子どもたち(下)

B&G体験クルーズ

 全国から集まった小学校4年生から中学校3年生までの476名が、5泊6日(3月25日〜3月30日)で、「B&G体験クルーズ」に参加した。クルーズは、東京晴海ふ頭から小笠原諸島父島までの往復体験航海、洋上研修と世界遺産・小笠原での自然体験活動と通して、地球環境について学ぶとともに、団体生活を通じて社会性を身につけ、友情を深めるもの(主催:ブルーシーアンドグリーンランド財団、以下B&G財団)。

 体験クルーズは、「少年の船」という名称で1978年に始まり、36年間の延べ参加者数は約5万8000人に達する。2002年からは、小・中学生を対象に「ふじ丸」をチャーターして小笠原を訪問する現在の形になり、1万5000人以上の小中学生が参加した。しかし、ふじ丸の国内引退により、同事業も一時休止となり、今回がラストクルーズとなる。

  3月25日、東京湾の晴海ふ頭に停泊しているふじ丸に、B&G体験クルーズに参加するメンバーたちが続々と乗船。

  結団式ではB&G財団の広渡英治理事長が、「参加者の皆さんは、元気よく積極的にいろいろなことに挑戦し、ルールとマナーを守って人に迷惑をかけないように心がけてください。そして、仲間同士でお互いに協力し、助け合いながら楽しいクルーズを満喫してください」とあいさつ。

陸と海の活動で 大自然を体験

  父島では、トレッキングやホエールウォッチングなどの大村海岸での自然体験活動と、小港海岸でのライフセービングやカヌーなどの、海洋体験活動が行われた。

  父島には毎年、多くのウミガメが産卵のためにやってくるが、孵化した子ガメは町の明かりに惑わされて、なかなか海に戻ることができない。そのため、島では卵を集めて施設で孵化させ、半年ほど育ててから海に放す取り組みを続けていて、クルーズのメンバーも、その放流を手伝った。子ガメが親ガメになって産卵のために島に戻ってくるのは30〜40年後だ。

  毎年、この季節になると多くのクジラが子育てのために北太平洋から小笠原に南下してくる。メンバーも漁船に分散して父島の沖に出ると、たくさんのクジラと出会った。今年は例年になく多くのクジラがやってきており、まさにラストクルーズを飾るにふさわしい魅力あふれるプログラムとなった。

被災地から招待した14人の仲間へ

  クルーズの最後の夜には、東日本大震災の被災地から招待した、14人のメンバーがステージ上で紹介され、それぞれが所属する組の仲間たちが寄せ書きを記したTシャツが、プレゼントされた。

  14人の仲間たちは、「Tシャツに書かれた皆のメッセージは一生の思い出になります」「明日で皆とお別れですが、このメッセージがあるから忘れない」などとお礼を述べた。


 

B&G体験クルーズ

最優i秀賞の須郷さん(左)
とウォーターセーフティー
ニッポンの広渡代表幹事:

水の事故ゼロを目指し

ウォーターセーフティーニッポン
標語コンクール表彰式

  B&G財団内に事務局を置く、「水の事故ゼロ」を目指すウォーターセーフティーニッポンは、全国の小学生から「水の事故ゼロ運動」標語を募集し、最優秀賞1点と優秀賞3点、佳作9点が決定した。

  最優秀賞には須郷美聖さん(北海道美幌町立旭小学校5年/受賞時)の作品「ペットボトル あなたの身近な 救助隊!」が選ばれ、広渡英治代表幹事から賞状と賞品が手渡された。

  須郷さんは美幌町B&G海洋センターのメンバーで、海洋センターで行われた安全教室での体験をもとに作品を考えたという。

 

 

 

 

【2013年4月22日号】

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