世界ジオパークに認定 島根県・隠岐諸島の重要な“地質遺産”

教育旅行で大自然に圧巻

島根県・隠岐諸島
人情相撲の土俵
島根県・隠岐諸島
知夫里島のカルデラは島々に囲まれ、
世界でも珍しい
島根県・隠岐諸島
国賀海岸に約7km続く断崖絶壁

 壮大な地質遺産が認められた「世界ジオパーク加盟承認」のニュースを聞いた5日後に、島根県隠岐諸島を訪れた。羽田空港から約1時間で大阪・伊丹空港へ、そこから乗り継いだ71人乗りの双発プロペラ機はほぼ満席だ。約50分後には、青い海原に浮き出た緑濃い隠岐の島空港へ着陸した。(旅行ライター/中森康友)

 約180の無人島に囲まれた4つの有人島の総人口が約2万人。その中で人口の75%を占める島後(どうご)と呼ばれる隠岐の島町で最初に巡ったのは、古事記に載るパワースポット。

古事記から続く歴史 国指定の重文が並ぶ

  平安中期から祭祀される玉若酢命神社では茅葺本殿、随神門、隣接する212年前に建立の古民家・億岐(おき)家、そこに秘蔵される駅鈴と共にそれぞれが国指定の重要文化財が並ぶ。境内には、伝統の古典相撲を行う土俵が見えた。

  四隅に立つ太い柱は実力一番の大関、関脇に与えられる栄誉の印。一般相撲と異なり勝負は相手と必ず2番行う決まりで、最初は実力でぶつかり、後の仕切り直しは勝者が相手に負けて1勝1敗とするところから"人情相撲"とも呼ばれる。この伝統相撲が昨年、映画「渾身」となって全国で上映された。

  隠岐の島では、船上から落日が頂塔の形をしたローソク島の頂きで輝く不思議な景観に感嘆。マグマが冷やされて作られた岸浜の黒曜石が古代人の狩猟を支えたという。

知夫里島のカルデラ湾 世界の地質学者も注目

  島後の隠岐の島から島前(どうぜん)の3島へはフェリーで約1時間。その一つ西ノ島では、高さ200メートル以上の断崖絶壁約7キロ続く国賀海岸に圧倒される。

  陽光の具合で岩肌が茶褐色から黄金色へと変化する様は、英国ドーバー海峡の白亜の絶壁セブン・シスターズに劣らない絶景だ。

雄大な大自然に包まれ 修旅の高校生が感激

  さらに知夫里島(ちぶりじま)へ移動して目を奪われたのは、島々に囲まれた世界でも珍しいカルデラ湾を俯瞰した風景。各国の地質学者が研究に訪れるという。

  中ノ島(海士町)の菱浦港では、修学旅行に訪れたという京都の高校生たちに出会った。「島まるごと大規模なジオパーク公園で大感激」「大自然に呑み込まれ、ちっぽけな悩みなんか吹っ飛んじゃう」などと興奮気味に感想を話してくれた。

  島根県松江市の七類港、鳥取県境港からもフェリーが就航している。

  問合せ=08512・2・1577(隠岐観光協会)

【2013年11月18日号】

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