新たな素材を提供―沖縄修学旅行誘致説明会を開催【沖縄県】

キャリア教育やガイドとの交流など

 沖縄県と(一財)沖縄観光コンベンションビューローは、12月4日に東京で、5日に大阪で「沖縄修学旅行誘致説明会」を開催し、新規プログラムの説明や支援事業、実践校による事例発表を通じて新たな同県で実施する教育旅行の魅力を紹介。また同時に受け入れ施設の個別ブースでも詳細な説明を行った。

沖縄修学旅行誘致説明会を開催

学校関係者が多数集まった

 4日に行われた東京会場では、開会に先だち主催者である沖縄県の文化観光スポーツ部観光振興課の渡久地一浩副参事が「現在2500校、43万人が修学旅行に来県いただいていることから、修学旅行に積極的に力を入れており、5月には沖縄県修学旅行推進協議会を設置し、改善策を図っているところ。本日は平和学習、琉球の歴史、新事業の実施について紹介したい」とあいさつ。

  沖縄県と言えば、サンゴ礁を有する自然、琉球王国時代や太平洋戦争、戦後など通じた歴史・文化学習、地上戦が行われた過去と米軍基地が集中する地で学ぶ平和学習などが主な修学旅行の素材だったが、昨今は沖縄科学技術大学院大学や沖縄宇宙通信所でのキャリア教育、アクターズスクールでのダンスやバスガイドさんとの交流など新たなメニューも組み込まれ始めている。

新たな平和教育へ 基地問題を討議

  事例発表では、豊島学院高校(東京都豊島区)の安藤朋尚教諭が、同校の修学旅行で核とする「平和教育」「マリンスポーツ体験」「沖縄の文化や歴史に触れる」の3点について紹介。

  同校は、昭和53年より沖縄で修学旅行を実施。本年度は、新たな平和教育の取り組みとして、事前に「基地問題」についてディスカッションを行った。語り部の高齢化により、実際の沖縄戦を知る人が減少する中、新たな試みとして始めたことだという。「ニュートラルな立ち位置で、米軍基地が存在するメリット、デメリット両面から、自分なりの考えをもってほしい」と安藤教諭は話す。

かりゆしウェアで クラスの団結に

  さらに、クラスごとの「かりゆしウェア」の着用、4泊中2泊を離島の宮古島で民泊を行うという初試みも実施。9月の文化祭では「沖縄」をテーマにした事後学習の発表も行われた。

  また、県からは本年度の修学旅行事業として「事前・事後学習アドバイザー派遣」(2月28日で派遣終了)、「継続実施学校への新メニュー等提供(1人4000円を負担)」(3月7日出発まで)が紹介された。

【2014年2月17日号】

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