●自分の児童・生徒に読ませたいマンガ(後編) (2005年12月28日)
先々週の「自分の児童・生徒に読ませたいマンガ(前編)」の、続き。今回のラインナップは、
■「どんぐりの家」
■「光とともに」
■「カムイ伝」
■「はじめの一歩」
■「あさきゆめみし」
■「マスターキートン」
■「クライマー列伝」
■「あじさいの唄」
です。
■「どんぐりの家」
聴覚障害と知的障害とが重複した聾唖重複者、圭子。圭子と、そのお父さん・お母さんの生活を描くところからはじまり、「どんぐりの家」が建設されるまでを描く。「どんぐりの家」は実在します。それだけに作者の、色々な意味での覚悟が紙面からほとばしっていて、読むものを圧倒する作品に仕上がっている。全7巻。
■「光とともに」
上記の「どんぐりの家」は聾唖者を、この「光とともに」は自閉症を、それぞれ真っ向から取り扱った作品。両者とも、そのときの社会的な状況と、そのなかでもがき這い回りながらも、生きて行く主人公と家族との姿をきっちりと、丁寧に、きれいなだけでもなく、汚いだけでもなく、描いている。こちらもお勧め。この2つは、マンガ喫茶などにはあまり置かれないタイプのマンガなので、図書館で読むか、購入しての読書をお勧めしたいところ。
■「カムイ伝」
小学館 (2005/09/30)
売り上げランキング: 36,087
カムイ伝。前編の手塚治作品同様、これも特に解説する必要はないくらいのマンガ。昭和に出版されたマンガの金字塔のひとつ。江戸時代に生きる人々の姿を通じて、社会状況、差別状況や、自由の尊さ・人間の尊厳などを丁寧に、大胆に訴えかける。あまりにも大作で、読むのにも気合がいるという作品。すこし長めの休みに読むのにはぴったり。
大人買いしたいあなたには、第一部は全集がでてるのでこちらを。Tシャツつきだそうです。そのおまけ、どうだろう?
小学館 (2006/05/15)
■「はじめの一歩」
講談社 (1990/02)
売り上げランキング: 91,867
70巻を超えている大作ながら、現在も連載がつづいているボクシングマンガ。気弱でいじめられっこだった少年が、ボクシングを通じて大きく成長していく。ボクシングを題材にしたマンガには「明日のジョー」という名作があるが、それにも負けず劣らずの、軽快ながら重厚な作品。この2作品を比べてみると、物語が時代に規定されているということがよく分かる。
■「あさきゆめみし」
講談社 (2001/08/01)

大学受験に役立ちました!
古典がすきになった!!
いつまでも色褪せない最高傑作☆源氏物語を扱ったマンガ。レビューに「大学受験に役立ちました」などの意見があるが、興味喚起という点では確かに役に立つ(文法勉強なんかは無理)。個人的な思い出では、姉が読んでいたので一緒に読んでました。僕は古典を重視する学校ではなかったのですが、源氏物語の部分はまったく勉強する必要がありませんでした。このマンガで全部知ってたし。マンガとしても超一級品。
■「マスターキートン」
小学館 (1998/11)
売り上げランキング: 57,646
主人公キートン・太一は考古学を専攻する大学の講師。しかし、それだけでは食べていけず、保険会社の調査員をやっている。こちらの商売は大繁盛。考古学にかける時間が少なくなってしまうのが彼の悩みのひとつ。すこし間の抜けたところがあるが、だれとでもすぐ親しくなってしまう彼には、過去に軍隊の特殊部隊でサバイバルスペシャリストとしてならした過去があった・・・などと書くと、大活劇もののような感じだが、根底は人情物。設定を生かして、舞台をヨーロッパを中心に全世界に広げ、知的好奇心をもゆさぶる青年マンガの逸品。とにかく読め、と言いたい。
■「クライマー列伝」
山に生き、山に死ぬ男たちの姿を描く。正直、ここで取り上げている他の作品に比べると、知名度は低いはず。ただ、大切なものがこのマンガには描かれているような気がする。それは、おそらく人によって、受け取り方が違うはずで、なぜなら、自然の中を散策して自分自身に向かう森林セラピーの手法などのように、自分自身に向かう思考だから。なんだと思う。
■「あじさいの唄」
時代とところ、太平の江戸。主人公、母をなくし父と犬とくらす少年、栗太郎。ごくごく普通の、市井の人々が繰り広げる人情話。とにかくほのぼのしたいときに。構成という意味ではマスターキートンにも近いかもしれない。読みきりタイプの人情物。よりしっとりした、日本的なものを好む人はこちらを。
これらのほかに、
■「長屋王残照記」
■「三国志」
■「ますむらひろしさんの宮澤賢治作品の漫画」
などのお勧めもありました(読んだことがなく、さらに読めなかった or どのバージョンかわからないなどの理由で紹介は割愛)。ご協力くださった方々、本当にありがとうございました。
(榊原)
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投稿者 kksblog : 2005年12月28日 15:10
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