●全国公立高等学校事務職員協会 阿玉新一会長に聞く (2006年06月19日)
自分のいる学校を県下一の学校にしたい、生徒が行きたい、親が行かせたい、勤務したい―― そんな学校作りを事務職員が担っていきたいし、先生の熱意が感じられればどんな要望もかなえてあげたい
▼学校事務職員は、学校の企画・運営に直接関わる
15年度より男女共学・単位制・二学期制へと改変した佐原白楊高校(前佐原女子高)。当時阿玉氏は事務長として、 佐原白楊高校の学校設備の整備に貢献した。

白楊高校のロビーにはプラズマディスプレイが掲示されており、今日の予定や校内活動の様子が流れている。また、 電子掲示板システムを導入、単位制ならではの悩み「一斉にプリントを配ったり知らせたりできない」という点を解決した。 玄関にはスロープがついており、バリアフリーにこだわった。通常黄色い点字ブロックは、濃淡のタイルで美しく美的に配置されている。 事務室は広く、デスクは流線型で働きやすい環境だ。
阿玉氏は「学校事務職員は、学校の企画・運営に直接関わることのできる立場にある。これからの学校事務職員は、 これまで以上にその資質の向上が求められている。『資質向上』とはさまざまに定義づけられるが、事務能力、人間力、実践力、 経営力などの総体であり、その根底に持つべきことは、学校事務に対する情熱、生徒・学校を限りなくいとおしいと思う心」と語る。
現在、多くの自治体で他部局との人事交流や、任用一本化が行われている。効率化を目的とし全国的に展開されている事務の共同実施が、 今、学校現場の事務を混乱に導いている面が少なからずあるという。
「今、事務職員研修ひとつとっても、問題が生じている。一般行政は任命権者が研修を行うが、一般行政の中には、 学校事務をテーマに具体的な研修できる人はそうそういない。学校事務職員は、自分たちで研修をしていく必要がある。 ところが行政から学校事務職員にやってくる人は、我々の団体に入りたがらない。彼らが決裁権を持っているだけに、不都合が生じてくる」 と述べる。 現在、阿玉氏が勤める佐原高等学校では改修工事を行っている。工事実施の権限も事務長にある。入札や仕様書作成にも関わり、 工事の成績処理も、事務サイドで行うという。学校運営の経営に関わる面で、事務職員の役割は大きい。
▼効率的な「共同実施」実現のために行政との関わりを
千葉県では16年度より、出張旅費をアウトソーシングしている。そのほか、他県でも事務の共同実施が行われている。この動きは、 学校事務の効率化と確実化が目的とされたものだ。
「事務の共同実施は、よい面もあるが、まだまだ不便な面のほうが多いのが現状。例えばガラス一枚割れただけで、センターに報告・ 発注しなければならない。その日のうちに修理が必要なものが学校には多いのに、これまで以上に修理完遂までに時間がかかる。教育委員会は、 学校に対する『管理』から『支援』に重点を置き、学校も、裁量と責任の発揮できる体制作りが必要だ」。
生徒の減少に伴い教職員数も減少し、クラブ指導員等に限りが見られている学校現場だが、「少子化に伴い統廃合が急速に進む中、 総合学科、単位制、中高一貫など学校の形態が多種多様化している。生徒数減少に加え、 アウトソーシングや電子行政化の推進による事務職員の定数減も、重要な課題。これらに伴い学校事務も大きく変わりつつある。
問題は、アウトソーシングや電子行政化の推進の流れは財政論が先行しており、 学校現場の本質を変える議論にはいまだなっていないという点」と指摘する。「例えば千葉県で推進された事務の共同実施だが、 その導入されたシステムはおよそ学校事務現場では使用不可なもの。再構築せざるを得なかった」。 財政的・ 事務処理的な負担を軽減する目的からは離れた結果となった。
「再構築後はほぼ滞りなく学校事務が運営されているとはいうものの、 導入当初より学校事務に携わるものが行政の中に入り込み、意見をフィードバックする場を持つことで、このような無駄は省けたはず」と、 発注段階より行政に事務職員が入り込む必要を強調する。
「これからは、益々県の意向中心にならざるを得ない。そこに学校の要望をどう入れ込んでいくのかが重要。そのためには、 事務長の熱意と知識が必須。備品整備は、脚で観て眼で触れて手で考えるつもりで精査している。自分のいる学校を県下一の学校にしたい、 生徒が行きたい、親が行かせたい、勤務したい――そんな学校作りを事務職員が担っていきたいし、 先生の熱意が感じられればどんな要望もかなえてあげたい」。
【関連リンク】全国公立高等学校事務職員協会
【関連リンク】阿玉会長挨拶
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投稿者 kksblog : 2006年06月19日 15:52
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