●日本の頭脳たちは、科学的素養をもった教師の育成が不可欠だと考えた 日本学術会議 (2007年06月26日)
日本学術会議は、教師の科学的素養を育てるための提言「これからの教師の科学的教養と教員養成の在り方について」を出しました。

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2007/6/22 要望「これからの教師の科学的教養と教員養成の在り方について」
この中で提案されている施策そのものには2種類の方向性があります。1:現職教員の科学的素養を向上させる。2:大学院レベルでの科学的素養がないと教員になれないようにする(逆に科学的素養がある人間を教員になりやすくする)。
日本学術会議といえば、内閣総理大臣に任命された210人の科学者があつまる、日本の頭脳集団。その日本トップクラスの学者たちは、いまの学校教育に何をもとめているのでしょうか。
もともと、この提言は、今後の社会が知識社会になっていく、ということを前提にしたものです。「知識社会に対応する教育を行う」ためには、科学的素養を持った「教師の養成及びその資質を持った教師の採用」が必要不可欠となるだろうと考えるのですね。
ここでいう「科学的素養」とは、「科学の専門的知識を実践の臨床知へと翻案し科学的コミュニケーションを図る能力を有すること」としています。あら難しい。ある程度の専門的な科学的教養を持っている(科学と、偽科学とを分離して考えられる)ことと、それを子どもたちに解りやすく伝える能力とでも考えれば良いでしょうか。
そして、その科学的素養をもった先生を増やすには、短期・長期、両方のスパンで教師育成施策を考えねばならないだろうと。そういうロジックですね。
日本学術会議の具体的な提言をかいつまんで紹介すると、以下のとおりです。
(1)短期的政策課題への提言
・小学校高学年からの理科専科教員の導入
・教員採用試験における専修免許状取得者の積極的採用
・小学校二種免許状取得者の一種免許状取得の奨励(義務化)
・中学校・高等学校教員免許取得の課程認定における1学部(学科)1科目認定制度の弾力化
・理系学生の教職科目の「実習・実験」に必修実験単位の振替を認可
・現職教師の科学的教養を高める研修内容の導入
・大学院における副専攻制度等による教職教養の高度化
・高次の科学的教養と教職専門の教養を実践と知識の両面から評価する教職専門性基準の作成
(2)長期的な教師教育政策への提言
・教員養成を学部レベルの教育から大学院レベルの教育に移行する改革の実施
・大学院修了者の積極的な採用と活用システムの構築
・自然科学系大学院における科学的コミュニケーション能力育成のためのカリキュラムの検討
・大学院において現職教師が体系的に研修できる制度の構築
・科学的教養を備えた教師が採用される教員採用試験の実施
・小学校教員養成大学入試科目での理科系科目の必須化
これらは、欧米の教員育成システムをかなり参考にしているようで、提言の中で「フィンランドの教師はすべて修士号の取得者である。アメリカにおいては、最初の赴任時には学部教育レベルの教師が多い。しかし、5年~7年後のテニュア取得(終身雇用の契約)時に教育修士号の取得が要求されており、半数以上の教師が修士号取得者である。校長もその多くが大学院博士課程レベルの教育を受けており、博士号取得者も珍しくはない」などとのべています。
この提言には賛否両論あるでしょうけれど、個人的には「教育」という専門職についた人が、さらに高度に、さらに専門的に、勉強しつづけていける場所があるというのは良い事ではないかと。同会議は、今後「人文・社会科学をも含めた広義の科学的教養を育成する」ための政策提言を考えていくとしています。
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投稿者 kksblog : 2007年06月26日 13:37



