●全国学力テストも教員免許更新制も必要なし?―義務教育に関する教員アンケート調査より (2008年11月14日)
「日本の教育を考える10人委員会」が全国の公立小中学校の教員を対象としたアンケートを行い、その結果を公表しました。この委員会は、日本の公教育をより良いものにするために集まった有志の団体で、2004年度より義務教育に関する調査・提言活動を行っています。
今回のアンケートは、教育現場の実態を十分に踏まえていない教育政策が増えているように思われることから、教育現場の実態を把握し、教育政策がどのような影響を与えているかを把握するために行われました。今年8月にインターネットで調査を行い、1200件の回答を得ました。
それによると、多くの教員が保護者・PTAの対応や会議など授業以外の業務で忙しく、負担を感じていることが分かりました。また、「全国学力・学習実態調査(全国学力テスト)」については、7割以上が「サンプル調査で十分」または「必要ない」と回答し、「教員免許更新制」については7割以上が反対するなど、新しい制度に疑問を投げかける結果となりました。
今回のアンケートでは、「教員の勤務状況・環境について」、「近年の教育政策について」、「教員人事について」など6項目に関して調査が行われました。
このうち、教員の勤務状況・環境については、残業(仕事の持ち帰りを含む)を「週に10~20時間」していると回答した割合が最も高く、教員の忙しい実態が明らかになりました。特に負担を感じている業務としては、「教員評価・学校評価」、「保護者・PTA対応」、「会議」などの回答が多く、授業以外の業務で時間をとられ、授業の準備などに十分な時間を割けない様子がうかがえます。
「近年の教育政策」に関する回答では、全国学力テストや小学校の英語教育に反対する声が多く挙げられました。
2007年度から再開された「全国学力テスト」については、「現状のまま継続すべき」とする回答は21.2%に留まり、「サンプル調査で十分」としたのが29.7%、全国調査ではなく各自治体で行われている学力調査でよい」が43.6%という結果でした。
一方、小学校での英語教育導入については、「賛成」は約6%に留まり、「どちらかといえば反対」が約35%、「反対」が約29%と、6割以上が反対と回答しました。特に小学校教員の約68%が、「反対」または「どちらかといえば反対」と回答しています。
来年度から導入される教員免許更新制については、約73%が「必要ない」と回答しました。理由としては、「教育活動への支障」、「講習の有効性への疑問」などが多く挙げられました。
同委員会では、今回の結果を、現在取りまとめている義務教育に関する提言書の参考にするとしています。
制度自体は必要なものであったとしても、システムが十分に整わないままスタートすると成果は上がりません。新しい教育政策への教員の反対意見は、制度そのものよりもむしろそのシステムの不備に対する不満の表れではないでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2008年11月14日 16:14



