●東京都豊島区 「緊急地震速報」を校内放送と連動 (2009年02月04日)
無線回線利用では全国初
豊島区では、気象庁が提供する「緊急地震速報」を、区立の小中学校の校内放送機器に連動させるシステムの整備を進めている。昨年の防災の日(9月1日)には、区内の2小学校で、同システムを使った防災訓練を初めて実施。児童と教職員が、緊急地震速報にともなう避難を体験した。今後は、区内の全小中学校を対象に、学校に設置されている放送機器の入れ替え時期にあわせて、緊急地震速報に連動する新システムに順次、切り替えていく計画だ。
無線なので断線の心配なし
緊急情報を確実に伝えられる
緊急地震速報は、推定最大震度5弱以上の地震の際に、強い揺れ(震度4以上)が予測される地域に対して、緊急情報を配信するものだ。2007年10月1日から情報提供がされている。豊島区では情報提供が始まった当初から、防災無線を使って区内の住民に知らせる態勢を整えていた。
小中学校でも、防災無線のスピーカーから流れてくる緊急地震速報を聞くことは可能だ。しかし、スピーカーは校舎屋上にしか設置されていないこと、また、教室が冷暖房完備となり、窓を閉めていることが多くなったため、屋外のスピーカーから流れてくる音声が、校舎内では聞き取りにくくなっているという課題も指摘されていた。
そこで、児童生徒の安全確保をより確実にするため、緊急地震速報と校内放送を連動させた新システムを考え導入することになった。
今回導入された新システムは、マルチキャスト事業を行っている株式会社YOZANの「地域情報配信システム」を活用したものだ。この「地域情報配信システム」は、ポケットベルと衛星回線の原理を使ったもので、既存の電話回線などを利用せず、すべて無線で情報が伝達できることが特徴。また、区役所のパソコンから情報が発信できるのが特長だ。
緊急地震速報が発信されてから、学校で放送されるまでのプロセスを簡単にまとめてみよう。
まず、消防庁が整備を進めている「全国瞬時警報システム(J-ALERT)」からの情報が区の防災課に届くと、YOZANの「地域情報配信システム」を使って、自動で学校に設置された戸別受信機へ、数秒で情報が配信される。情報を受け取った戸別受信機は、緊急地震速報の信号によって自動で校内放送機器を立ち上げ、放送で流す。
「インターネットやケーブルテレビなどの有線回線を利用して、緊急地震速報を流す仕組みを構築している自治体はありますが、豊島区のように、衛星回線などを使った無線システムと校内放送機器を連動させてシステムを構築したのは、全国でも初めてではないでしょうか。災害時、有線システムの場合は断線してしまうと情報が届かなくなってしまいますが、無線ならば断線の心配もありません。しかも、衛星との回線は専用線を使用していますので、規制もかからないため、より確実に緊急情報を伝えることができるようになっています」(豊島区教育委員会・学校運営課)
体育館などの閉鎖空間でも
聞き逃すことがないので安心
昨年12月22日現在、このシステムを備えているのは、区内の5小学校(清和小、高南小、豊成小、高松小、さくら小)。そのなかの清和小と高南小では、昨年の防災の日、このシステムを使った防災訓練が実施された。
清和小では午前11時10分から、高南小では午前11時30分から訓練が実施。訓練では、「ピロピロピロ」という普段聞きなれない音が教室のスピーカーから鳴り響くと、続いて「地震が発生しました」のアナウンス。児童たちは机の下にもぐりこみ、先生の指示に従いながら校庭へと避難した。
学校関係者や保護者らは、「体育館などの閉鎖された空間で授業や作業をしているときは、屋外スピーカーから流れる防災無線が聞こえないのではないかという不安がありました。校内放送で流れれば聞き逃すこともないので、安心できます」と話している。
今後は同様のシステムを、2015年までの間に、学校の放送機器を入れ替えるタイミングにあわせて、区内の全区立小中学校(31校)に導入していく予定だ。
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投稿者 kksblog : 2009年02月04日 19:40



