「情報教育担当珍道記 その参」

初めの一歩

by Long Distance

<筆者プロフィール>
某県の小学校教諭・情報教育担当(ご本人の希望で匿名です)
コラムでは「情報教育」の初期・中期・現在までの経緯や現状、そして未来への提案も含めて語っていただきました。


 学校という職場では、教職員のコンピュータの普及はまだまだ進んでいないのが現実です。自分ではコンピュータを使わなくても、コンピュータを使った学習指導をしてくださる先生もまれにいますが、コンピュータを使わない先生の多くは子どもをコンピュータ室へ連れて行ってくれません。

 ある中堅の女性の先生が話された次の言葉が印象的でした。
 「私がコンピュータを使って仕事して、へえ、コンピュータって便利だなと思ったから、子ども達のためにもコンピュータを使った学習をしようと思ったのよ。」

 今、情報教育担当者として、一人でも多くの先生がコンピュータ利用授業をしてもらえるように心がけていることがあります。

【コンピュータ利用授業をしたいなとひそかに思っている先生に対して】

 ・どんな授業をしたいのか聞き、ねらいに近づくためのアドバイスをする。ねらいを否定することなく、まずはやってみることを優先する。
 ・機械の操作、授業展開、指導支援に自信がつくまで、サポートし続ける。最初はていねいに、段々とまかせていく。
 ・授業を振り返り子どもの姿から、ついた力や学習の効果について意見交換し、次への課題を一緒に考える。

【コンピュータは必要ない、できないと考えている先生に対して】

 ・先生にコンピュータを使ってもらう機会を作り、ワープロ専用機にはない便利さを「自分でできた」という体験を通して実感してもらう。必ず印刷したものなど作品をお土産として持ち帰ってもらう。
 ・コンピュータを使うことで、教科等のねらいが達成できることを知ってもらうために、積極的に授業を公開する。授業者は情報教育担当以外の先生に協力してもらうのがより望ましいと思う。ポイントは「あっ、いいなあ。なんか便利そうだなあ。やってみたいなあ。」と思ってもらえることだと考えています。


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