BECTA(英国教育工学通信協会) 有効なIT活用支援

情報通信インフラ技術の教育利用に関して政府に助言−アンドレ・ワグスタッフ氏


英国政府が設立し、BECTA(英国教育工学通信協会)が管理運営を行っているNGfL(全国学習網)はWebサイト上であらゆる分野の教育と生涯学習のコンテンツの提供を目的にしているが、同サイトに掲載できるコンテンツについては、明確な基準が設けられている。日本でも教育情報のポータルサイトとして、ナショナルセンターが近く試験的にオープンする予定だが、Webサイトに掲載できる教育用コンテンツの評価・審査基準をどう設定するかの議論については、遅れている。今後Webを利用した教育が本格化する中で評価基準の整理が必要である。ここでは、NGfLのサイトに掲載されている評価基準やそれに関連する情報をまず、紹介したい。
(4面に関連記事)
       
 NGfL(www.ngfl.gov.uk)は、インターネット上の教育用ホームページのことで、教育用コンテンツとともに、情報通信インフラ、サービス、サポート、トレーニングのためのプログラムを提供している。このサイトが正式に開設されたのは、1998年11月である。NGfLには、現在学習リソース、教育用ソフトウェアデータベース、事例研究、インターネットの安全指導、教師のための会議室をはじめとしてさまざまなページがある。
 BECTA指導書制作部長のアンドレ・ワグスタッフ氏によると「運営するサイトをNGfLに加えたい場合、厳しい審査があり、現在応募者の半数が拒否される」という。また、NGfLは教師の要望を取り入れて、常時見直しを行っている。

 評価基準は、13項目からなり(URL及び全文記事は4面参照)、コンテンツの内容の規定、コンテンツのNGfLへの採用とリンクの決定者、コンテンツサイトの表示方法及び名称につての制約、広告掲載及び販売行為の禁止、NGfLホームページへの「戻る」ボタンの設定方法、支援者から提供された教材の画面に表示できる大きさの割合などが規定されている。
 NGfLの開設に関連し、BECTAは、学校や教育機関への業務提供を希望する企業のために申請書を用意し、申請手続きについての説明会を実施している。また、NGfLへの掲載に関する詳細な技術仕様書も作成している。

 以下、応募要綱、NGfLに関連する原則、の部分を翻訳したものを紹介する。

 〈応募要項〉
 (1)本応募説明書では、NGfL管理サービスの規定に関する情報を提供し、英国内の学校や教育機関への業務提供を希望する業者のために申請書を用意する。申請手続きに関する説明会は、BECTAが1998年12月に実施する。
 (2)本説明書には、NGfL管理サービスに応募する業者に対して、業務仕様書と一般条項が記載される。詳細な技術仕様書は、応募業者による関心表明の後に配布される。
 (3)応募業者は、「OpenforLearning,OpenforBusiness」、英国政府の「NationalGridforLearningChallenge」、および公共図書館ネットワークが発行する業務要求について精通していること。
 (4)第1回関心表明の受け付けは、1999年1月8日までとする。
 (5)業務提供者は、1993年公共サービス契約規則に従い、情報管理業務契約への署名が要求される。この契約によって、業務提供者は、上記契約規則に準じ、他社と競合することなく業務契約書に署名することができ、また、管理サービスに係る管理責任と費用を軽減することができる。

 〈NGfLは以下の原則に従う〉
 〇商業的コンテンツにもリンクする中央政府、地方自治体、公共サービスコンテンツへの自由なアクセス。教育・学習標準の向上に貢献する
 〇ユーザがアクセスするときはいつでも何の教材かがわかること
 〇ユーザが何のコンテンツかが理解できるように、コンテンツの品質管理と整理を行う、など。





(2000年10月4日号より)