「肥満傾向」小・中で増加
むし歯避患率は前年下回る



 文部科学省はさきごろ「平成13年度学校保健統計調査の結果」を発表した。今年度は、13歳の男子平均身長が過去最高となり、また男子13歳から15歳の平均体重、女子14歳もそれぞれ過去最高。またむし歯(う歯)の被罹患率は、すべての学校段階で前年度より低下していることなどが今年度の主な特長である。これは全国の幼稚園から高校までの9165校を対象に、昨年4月から6月にかけて実施した健康診断の結果をまとめたもの。

■ 発育状態
 男子の平均身長では13歳が過去最高で160・2ルを記録。このほか前年度よりも平均値がアップしたのは8歳、17歳でいずれも0・1ルの伸び。逆に低下したのは7歳、9歳、16歳がそれぞれ各0・1ル減、10歳が0・2ル減であった。女子の身長では過去最高値はなく、前年よりも伸びているのは6歳、12歳、13歳でそれぞれ0・1センチの増。
 一方体重では男子が、13歳(50・61114)、14歳(55・51114)、15歳(60・11114)が過去最高。女子については、14歳が50・91114と前年比0・21114で過去最高となっている。特長としては、男子では11歳、13歳から17歳で増加しているのに対し、6歳から10歳が低下、女子でも14歳から17歳が増加しているのに対し6歳から10歳及び12歳で低下していることが挙げられる。小学生では減少、中学生では増加の傾向にあるといえる。
 
■ 健康状態
 「裸眼視力1・0未満」の割合は、小学校だけが25・1%と前年度比0・1ポイントで増加しているのに対し、幼稚園、中学校、高等学校が前年度より低下し、それぞれ27・2%、48・2%、60・3%。高等学校では2・2ポイントと大幅に減少している。一方で眼鏡やコンタクトレンズで矯正が必要な0・3未満の者の割合は、幼稚園(0・5%)と小学校(5・5%)は前年と同率であるのに対し、中学校は1・1ポイント減の20・7%、高校1・7ポイント減の33・2%に減少した。
 むし歯(う歯)の被患率については、幼稚園61・6%、小学校75・6%、中学校73・8%、高等学校83・7%と、いずれも前年より下回った。年齢別に見ると、9歳、15歳から17歳の各年齢で80%を超えており、17歳が85・6%と最も高くなっている。また「12歳の永久歯の一人当たり平均むし歯(う歯)等数」では、むし歯数が前年度比0・13ポイント減の2・48本と減少傾向にある。
 「肥満傾向」の者の割合は、幼稚園0・6%、小学校2・8%、中学生1・9%、高等学校1・5%で、小学校及び中学校で前年度より上昇している。年齢別に見ると、9歳から11歳において3%を超えており、10歳が3・7%と最も高くなっている。また11歳以降は年齢が進むにつれて低くなる傾向にある。男女別で見ると、6歳から17歳までいずれの年齢においても男子の肥満率割合が高く、10歳では女子が2・38%であるのに対し、男子は5%の子どもが肥満傾向にあることがわかった。






(2002年1月12日号より)