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大学全入時代を迎え、「何となく大学進学」という声を多く耳にする。入学後、大学への理想と現実とのギャップに苦しみつつ、4年間を過ごしてしまう人も少なくない。
そんななか、東京経済大学が「大学へなぜ行くのか」「高校との学びの違いは」など大学進学に関する素朴な疑問に答える『大学の学びガイドブック』を今年4月に発刊した。
この冊子は、右開きの「これだけ知っていれば迷わない〜基礎篇」と、左開きの「東くんと経子さんの学部選び物語〜学部篇」のリバーシブル装丁となっている。基礎篇は大学と高校との時間割の違い・大学用語・友達作りなどで構成され、学部篇は高校生の男女が登場する物語仕立てで、理系と文系、学問系統といった専攻分野についての解説となっている。
大学PR色は抑えられ、高校での個別進路相談や総合的学習の時間など、広い意味で「大学」を理解するために活用できそうだ。
問合せ=東京経済大学広報課042・328・7900
http://www.tku.ac.jp/
物語を用いて楽しく学んで
『大学の学びガイドブック』を手がけた関沢英彦コミュニケーション学部教授にお話を伺った。
―制作のきっかけは
高校訪問や相談会などを通して、高校の先生方や保護者から、「大学選びの基本書が欲しい」という要望が多く寄せられたのです。それが発端となり、本学広報課長が「受験生に自分に合った大学を選んで欲しい」と発案、コピーライターの経験も持つ私が制作することになりました。
―工夫した点は
第一に物語風にすることで無理なく大学について考えてもらえるようにしたこと、第二に学部選びなど学問系統に関する内容とキャンパスライフに関する内容と2面を持った冊子にしたことです。一般に高校生イコール活字を読まないと言われますが、大学を選ぶというのは真剣な行為ですから「面白い」と思っていただければ熟読してくださるのではという思いで作りました。
また「学部がよくわからない」という声を聞いていたので、「○○学」と一口に言ってもいろいろな方向性があるというようなことを提示しました。
以前、私は在学生に「東京経済大学の魅力は何か」というアンケートをしたことがあるのですが、授業や教員の質、キャンパスの雰囲気が筆頭に挙がりました。学生達は、大学の最も大切な部分をよく見ているのですね。
発刊当初からこれまで、私どもが予想していた以上の、全国の保護者や高校から問い合わせをいただいています。高校のなかには「教材で使うので」とまとまった冊数を希望されるところもあります。
―読者へのメッセージをお願いします
お子さんとご一緒に是非、大学のキャンパスに行らしてみてください。お子さんにも情報収集させてください。保護者の方なら「子どもに合った大学」の雰囲気を感じ取れるはずです。
そうすれば大学進学の意義や目標もおのずとはっきりしてくるはずです。高校の進路指導の先生方には、大学進学の意味や高校生活との違いなども生徒さん達に教えてあげていただければいいなと思います。
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関沢教授による公開教育講演会「2011年の社会と大学選び」
▼日時/10月7日(土)午後1時30分開場、2時開演
▼会場/埼玉県狭山市市民会館小ホール
▼入場無料
【2006年8月19日号】