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いじめによる子どもの自殺や校内暴力が続いている事を受けて、文科省は問題を起こす児童生徒に毅然とした指導をするよう学校現場に要請。そのため学校現場が自信を持った指導できるよう、懲戒と体罰の違いと体罰の禁止などを改めて確認する文書をまとめた指針を作成し、2月5日に教育委員会などを通じて通知した。
文書は「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰に関する考え方」(=「考え方」)。今後の懲戒・体罰に関する解釈・運用の指針としている。どこまでが懲戒なのか、体罰が機械的に判定できないため「教員が自らの指導に自身を持てない」、「実際の指導で過度に萎縮」しているなどの声に応えたもの。
体罰かどうかの判断について「考え方」では、「児童生徒の年齢、健康、心身の発達状況、当該行為が行われた場所及び時間的環境、懲戒の態様等の諸条件を総合的に考え、個々の事案ごとに判断する必要がある」との前提を提示。子ども本人や保護者の主観ではなく、これらの条件を客観的に考慮して判断するよう求めている。
「考え方」が明確に体罰とするのは1)身体を侵害する懲戒(殴る、蹴る)、2)肉体的苦痛を与える懲戒(長時間にわたる正座・直立など特定の姿勢)など。一方、体罰に当たらないのは1)放課後等に教室への居残り(用便の禁止や食事時間を過ぎる長時間の留置きなど肉体的苦痛を与えるものは体罰)、2)授業中、教室内に立たせる、3)学習課題や清掃を課す、4)当番を多く割り当てる、5)勝手に立ち歩く子どもを叱って席に着かせるなど。また対教師暴力からの防衛や他の児童生徒に被害を及ぼす暴力行為を制止したり危険を回避するための「有形力の行使」は体罰にあたらないとする。
その他、授業・学習の妨げになるなどの理由で子どもを教室から退去させるのは「教育上必要な措置」。単に遅刻や学習を怠けた等の理由で教室を退去させる場合は、授業に代わる指導を別途行うのなら差し支えないとする。さらに授業中に携帯電話でメールするなど、学校全体の教育活動に悪影響を及ぼすような場合、保護者等との連携を図った上で携帯電話を一時的に預かることは「教育上必要な措置として差し支えない」としている。
【2007年2月17日号】