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ぜん息の児童過去最高に

平成22年度学校保健統計調査

ぜん息者の推移

身長は横ばい、体重は減少傾向

 文部科学省は、学校における幼児、児童及び生徒の発育及び健康の状態を明らかにすることを目的に昭和23年度から実施している「学校保健統計調査」の平成22年度結果を発表。身長は13年度あたりにピークを迎えその後横ばい傾向、体重は15年度あたりにピークを迎えた後減少傾向となっているが、今回、主な疾病・異常等の推移のなかで、ぜん息が前年度を比較して、中学校を除く全区分において、増加していることがわかった。

 ぜん息は、昭和42年度以降全ての学校段階において上昇傾向となっているが、幼稚園は昨年度の2・15%を0・6%上回る2・75%、小学校では3・99%から4・19%(0・2%増)、高校では1・88%から2・08%と1%の増加となっており、中学校を除き、過去最高の数値となっている。

高校以外の視力 低下傾向に

また、裸眼視力の低下も著しい。今年度「裸眼視力1・0%未満の者」の割合は、幼稚園26・43%(前年度24・87%)、小学校29・91%(同29・71%)、中学校52・73%(52・54%)、高校55・64%(59・37%)となっており、高校を除き増加していることがわかる。さらに「裸眼視力0・3未満の者」の割合も、前年度と比較して高校を除き増加している。
これは、昭和54年度以降上昇傾向となっているものではあるが、ここ10年、高校においては減少傾向となっている。

 

全学校段階で むし歯低下中

 また、全学校段階で前年度より低下しているものは、「むし歯(う歯)」があげられ(処置完了者含む)、幼稚園46・11%(前年度46・50%)、小学校59・63%(同61・79%)、中学校50・60%(同52・88%)、高校59・95%(同62・18%)となっている。

  なお、むし歯の割合を年齢別にみると9歳が66・04%で最も高い。処置率については、9歳以降で処置完了者が未処置歯のある者の割合を上回っている。

  中学校1年生のみを調査対象としている永久歯の1人当たりのむし歯等数(喪失歯及び処置歯数を含む)は前年度より0・11本減少し、1・29本となっており、昭和59年度以降、永久歯のむし歯は減少している。

身長・体重共に 親世代より増加

  最後に発育状態だが、身長は親の世代(昭和55年度の数値)と比較すると、最も差がある年齢は男子13歳(2・8センチ高い)、女子10歳・11歳(1・9センチ高い)。体重は、男子12歳(2・7キロ重い)、女子11歳(1・7キロ)となっている。

【2010年12月18日号】