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京都老舗の若主人が授業
“だし”で日本文化を再認識

荒川区立第三日暮里小学校

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だしの香りたっぷりのお吸い物を味わう

  3月1日、京都西陣の老舗料理「萬重」の3代目若主人の田村圭吾氏が、東京都荒川区立第三日暮里小学校(伊津寿美校長)で「日本料理」を題材に5年生全クラスへの講演とクラスごとの実習を行った。

  日本料理の良さは、「材料の味を大切にし、体に良くヘルシー、盛りつけが美しい、旬な食材を使っているところ」と話す田村氏。そこには旨味の素である「だし」が大きな秘密をにぎっている。

  それを体感してもらおうと、クラスでの実習では、味噌だけをお湯で溶いたカップを試飲後、何が入っているかを知らせずにだしを混ぜて試飲させた。子どもたちは、「だしの味がする」と目を輝かせる。

  そこで、だしの作り方を紹介。利尻昆布など4種の昆布や、かつお節を削る様子を見せる。昆布を入れておいた鍋にかつお節を入れてこすと、良い香りが漂い「おいしそう」と声が漏れる。「五感全てを使っておいしさを感じて欲しいです」と田村氏は話す。
その後、子どもたち自身がかまぼこを飾り切りし、東京の地場産物・小松菜と合わせてお椀に入れ、先ほどのだしに薄口醤油を加えた汁を入れお吸い物が完成。

  日本野菜ソムリエ協会が認定する「ジュニア野菜ソムリエ」でもある田村氏が「小松菜には茎と葉の部分で味が違うのでそれも味わいましょう」と呼びかけると、「食材のおいしさが出てきた」「野菜の旨味を感じる」など笑みがこぼれた。

  普段から京都の小中学校等でこのような授業を展開する田村氏。「反応がとても良く、普段からのこの学校で食の取り組みがよくできていると感じました。日本の食文化を通して日本文化を再認識して“生きる力”として欲しい」と語る。

【2011年3月19日号】

教育家庭新聞