TOP健康>ニュース

蔵書冊数高校で減少

H22度学校図書館に関する調査【文科省】

 文部科学省は、学校図書館への司書教諭等の配置状況や図書の整備状況、読書活動の状況等を調査しており(平成20年度調査以降は隔年)、先日、平成22年度調査の結果が公表された。調査によると、読書の活動状況については、多くの小・中学校において全校一斉の活動が行われるなど、概ね取り組みが進んでいると考えられる一方で、司書教諭を必ず置くこととされている12学級以上の学校での発令状況は、小・中学校では若干の増加又は前回と同値だったものの、高校では若干の減少が見られ、また、蔵書冊数は小・中学校では増加しているが高校では減少している。そして、学校図書館図書標準を達成している学校の割合は小・中学校それぞれで増加しているが、その割合は未だ低い状況であることがわかった。

12学級以上の発令は97.6% 司書教諭

 この調査の対象は、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校及び中等教育学校で、司書教諭等状況調査、図書等の整備状況調査、読書活動の状況調査を調査項目とする。

【人的整備の状況】

  平成22年度の司書教諭の発令状況等については、全体で63・5%となっており、小学校が1万3467校で全学校数の62・7%の発令状況で、以下中学校は6308校で59・3%、高校は4119校で81%。

  また、特別支援学校は小学部が377校の53・6%、中学部が292校の41・3%、高等部が423校の56・3%、中等教育学校が前期課程20校の51・3%、後期課程15校の60%となっている。

  そのうち12学級以上の学校の発令状況は、全体で97・6%。小学校で99・5%、中学校で98・2%、高校で94・4%、特別支援学校小学部85・4%、同中学部86・5%、同高等部88・3%、中等教育学校前期課程71・4%、同後期課程75%。11学級以下となると、全体の発令数は22・7%で1万7955校中4077校にとどまっている。

小学校で5割 中学校で4割 図書館標準達成

【物的整備の状況】

  公立学校における蔵書状況は、平成21年度末で全体の蔵書冊数が小学校で約1億6983万冊、中学校で約9639万冊、高校で約8511万冊、平成21年度中に購入した冊数は、小学校837万1236冊、中学校444万1947冊、高校186万4851冊ある。1校あたりの蔵書数は、小学校7838冊、中学校9578冊、高校2万1902冊だ。

  小中学校における学校図書館標準の達成状況(H21度)は、達成学校数が小学校1万710校で50・6%、中学校4201校で42・7%。文科省が公立義務教育諸学校の学校図書館に整備すべき蔵書の標準として、平成5年3月に定めた学校図書館標準は、小学校で18学級の場合1万360冊、中学校15学級の場合1万720冊である。

小中8割以上 高校は約4割 全校一斉読書

【読書活動の状況】

  全校一斉の読書活動を実施している学校は、平成22年5月現在(公立)で、小学校96・2%、中学校87・5%、高校41・1%となっており、ほぼ始業前の時間帯に実施していることが多い。

  実施の頻度については、小学校では週に数回が最も多く45%、中学校は毎日が最も多く66・6%、高校も毎日の実施が最も多い53・6%となっている。

  また、全校一斉読書以外の読書活動推進のための取り組み状況は、小学校で97・9%、中学校72・1%、高校69・2%がなんらかの全校一斉読書以外の活動を行っており、小学校では読み聞かせが96・3%と最も多い活動だ。中学校・高校では必読書コーナーや推薦図書コーナーを設けている割合が高く、中学校で75・6%、高校で84・3%となっている。

小学校のボランティア活用 読み聞かせ等が多数

  ボランティアの活用状況は、小学校が最も高く78・7%で、その内訳は読み聞かせ、ブックトーク等の読書活動支援が多く、そのほか学校図書館の書架見出し、飾りつけ、図書の修繕等の支援の割合が高い。一方で、高校におけるボランティア活動の状況は、2・7%にとどまっている。

◇   ◇

  なお、6月11日の「学校図書館の日」を記念して、(社)全国学校図書館協議会と日本学校図書振興会が、同日都内で「学校図書館賞」と「学校図書館出版賞」の表彰式を行い、良い事例に取り組む関係者らが表彰を受けた(詳細12面)。

【2011年6月20日号】

教育家庭新聞