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教育目標"心の教育"がトップ

ベネッセ 第5回学習指導基本調査

 ベネッセ教育研究開発センターは、昨年8月から9月にかけて、全国の小中高の校長及び教員を対象に実施した「第5回学習指導基本調査」の結果を発表。それによると、小中学校は学校教育目標として「心の教育 豊かな心」がトップとなっており、それに続く項目として小中学校で順位は異なるが「思いやり」「健康 体力」がトップ3となった。また、高校への調査では8割の教員が生徒の「学習意欲の低さ」「義務教育での学習内容の未定着に悩んでいる」こともわかった。

学校教育目標に掲げている学校が最も多い「心の教育 豊かな心」は、小学校で69・8%、中学校で66・7%と最も高いが、第3回調査が行われた平成14年と比較して大幅にポイントが上がっている項目としては、「学力向上 学力定着」が小学校21・1%、中学校11・2%、「学習習慣」が小学校19・3%、中学校11・7%となっている。

  その他の項目でポイントが上昇したものは、小学校で「基本的生活習慣」、中学校で「社会規範 きまり」などがあげられており、一方で下がった項目としては小中学校共に「自ら学ぶ力 自己学習力」があげられる。

  「学力向上 学力定着」が教育目標に掲げられる割合が高まるなか、教員側も「たとえ強制してでも、とにかく学習させること」「一人前の大人になるために必要なことを教え、訓練すること」などを授業や生活指導の面で重視する割合が年々高まっており、特に中学校で「一人前の大人になるために必要なことを教え、訓練すること」を重視する教員が多い。

基礎基本の知識・技能 教科の授業で重視

  では、教科の授業において教員は何をどれくらい心がけているのか。小中学校共に「基礎的・基本的な知識・技能を習得する学習」をあげており、「教材を工夫した授業」を心がけている教員の割合が小中学校共に高く、その他小学校教員は「体験することを取り入れた授業」「計算や漢字などの反復的な学習」、中学校教員は「表現活動を取り入れた授業」「グループ活動を取り入れた授業」を心がけている割合が高い。

新学習指導要領で 不安に思うこと 小学校は外国語活動 中学校は探求的な学習

  また、新学習指導要領の実施に際し、小学校教員が最も不安に思っていることは「『外国語活動の充実』の実践で、とても不安・やや不安を合わせると65・4%が不安視している。中学校教員では、「探求的な学習」「『体験活動の充実』の実践」に不安を感じている。

【2011年6月20日号】

教育家庭新聞