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暴力行為が減少

H22年度・児童生徒の問題行動等調査

 文部科学省は、児童生徒の問題行動等について、今後の生徒指導施策推進の参考とするため毎年調査を実施しており、8月に平成22年度の調査結果がまとまった。調査項目は暴力行為、いじめ、出席停止、小・中学校の不登校、高校の不登校、高校の中途退学等、自殺、教育相談の8項目。小・中・高における暴力行為の発生件数は学校内・外合わせて5万8899件で、昨年の6万915件を下回った。なお、今回の調査では東日本大震災の影響で実施が困難となった岩手県、宮城県、福島県は含まれていない。

ネットいじめ 年齢に比例し割合増の傾向

【暴力行為(国公私立小・中・高等学校)】

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  学校種別の発生数は、小学校が6952件(前年度7115件)、中学校が4万2114件(同4万3715件)、高校が9833件(同1万85件)で、どの校種においても前年より減少。

  暴力行為の発生状況は、生徒間暴力が最も多く、全体で3万3595件、次いで器物損壊が1万4610件となった。発生場所は学校内が圧倒的に多い。校内で発生したと回答した学校数は8981校にのぼり(前年度9108校)、全学校数に占める割合は25・2%だ。

  加害児童生徒数は、計6万561人(同6万3911人)と前年度を上回る。小学校では学年が上がるにつれて増加し、中学校は2年、3年でほぼ同じ数となり、高校は学年が上がるにつれて減少している。

  そのうち学校が何らかの措置をとった児童生徒は、小学校24人、中学校948人、高校9929人。関係機関により措置が取られた加害児童生徒数は、小学校163人、中学校4390人、高校609人。連携機関等として最も多いのは、「警察等の刑事司法機関と連携した対応(「サポートチーム」の取り組みなど」)だ。

【いじめ(国公私立小・中・高・特別支援学校)】

  いじめの認知件数は合計7万5295件で、前年の7万2778件を約2500件上回った。認知学校数は、1万5675校でこちらも昨年の1万5126校を上回り、全学校数の42・2%を占める。

  いじめの発見のきかっけは、「アンケート調査など学校の取り組みにより発見」されたものは26%で最も多く、次いで「本人からの訴え」が23・1%となっている。学校の教職員のなかでは、担任による発見率が高く19・9%だ。同様に相談する相手も担任が多い(69・6%)。

  いじめの態様のうち、「冷かしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が66・7%と最も高く、「仲間はずれ、集団による無視をされる」(20・7%)、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする」(20・2%)が続く。パソコンや携帯電話等を使ったいじめは3・9%と上位とは数値に差があるものの、高校生では態様の中で4番目に高い。

【不登校(国公私立小・中・高等学校)】

  学校種別の不登校児童生徒は、小学校が2万1675人(前年度2万2327人)と、在籍者数に占める割合は0・32%。中学校は9万3296人(同10万105人)で、在籍者数の2・74%。高校は5万3084人(同5万1728人)で、在籍者数の1・66%だ。

  そのきっかけは、小学生と中学生は「不安など情緒的混乱」(小学生30・6%、中学生22・1%)がトップで、高校生は「無気力」(24・1%)と、いずれも本人に係る状況が上位となった。

【2011年9月19日号】

教育家庭新聞