休日の食生活に問題

ビタミン、ミネラル”赤信号”

日本体育・学校教育センター調査


 実態は学校給食で・栄養補給・−−日本体育・学校健康センターがさきごろまとめた「1997年度『児童生徒の食事状況調査報告書』」によると「飽食の時代」を反映してか、栄養摂取状況は平均するとほぼ所要量は満たされているものの、学校給食がない休日を見るとビタミンやミネラルなどの摂取量が、明らかに落ち込んでいることがわかった。児童・生徒の栄養摂取状況と学校給食の役割と関連性、家庭における食事の指導などの実態を調査するのが狙いだが、今回の調査で子どもたちの栄養が学校給食頼みであることが明らかになった。

 調査対象は小学生5年生2438人と中学校2年生2221人。一昨年10月中の金曜日と休業土曜日の2日間、都道府県ごとの都市部と農山漁村部の小・中学校各1校の計174校に依頼。そのうちの168校から回答を得た。
 まず2日間の摂取栄養量の平均値については、小学校では女子のカルシウムと鉄の充足率がそれぞれ99・1%、98・5%とやや不足気味だったが、全体としてはおおむね所要量を満たしている。これに対して中学校では男女ともにエネルギー、カルシウム、鉄の摂取量が所要量を満たしておらず、中でも女子ではエネルギー89・4%、鉄88・2%と充足率の落ち込みが目立っている。

 和風から洋風へという最近の食生活の変化に伴って摂取過剰が問題となっている脂肪については、エネルギーに変化する比率を30%と想定した場合の充足率を見ると、小学校の場合男子99・0%、女子100・0%、中学校では男子99・3%、女子98・7%といずれも多く摂取されている。食塩の充足率も小学校では男子114・6%、女子111・8%、中学校では男子127・7%、女子115・8%といずれも目標値を高く上回る数値を示している。
 一方金曜日と休業土曜日の栄養摂取状況の違いは著しく、金曜日については小学校、中学校ともほぼ所要量は満たしているが、休業土曜日を見ると特にビタミン、ミネラル、カルシウムが不足。中でもビタミンのうちB1については、小学校男子以外はすべて充足率100%を割っているのが現状で、特にカルシウムについては落ち込みが大きく小学校では男子86・6%、女子78・5%、中学校では男子64・9%、女子69・6%となっている。

 この数値の差について同報告書では、昼食の内容が大きく影響しているのではと分析。昼食の摂取栄養量が学校給食のある金曜日には、1日の充足率の3割以上を占めているのに対し、休業土曜日はビタミンCを除くすべての栄養素で3割を下回り、特にビタミンB類(B1、B2)とカルシウムについては大きく下回っている。これについて報告書は、金曜日の昼食である学校給食が不足しがちな栄養素を補っていると、学校給食の役割について言及している。

 この休業土曜日の摂取栄養量不足のもう1つの原因として、報告書が指摘しているのが欠食。金曜日に朝食を食べないと回答したのは小学校が男子0・9%、女子0・7%、中学校が男子2・0%、女子1・8%だったが、休業土曜日ではそれぞれ1・8%、1・8%、6・1%、5・5%と2倍以上に数値が跳ね上がっている。この休業土曜日の欠食率を都市部と農山漁村部で比較すると特に中学校でその差が目立ち、農山漁村部が男子4・7%、女子3・8%に対し都市部では男子7・4%、女子7・1%と大きな違いを見せている。また休業土曜日には昼食の欠食も小学校男子と女子が1・7%、中学校では男子2・3%、女子2・7%となっている。

(教育家庭新聞99年3月13日号)