教職員の意識喚起し

地域社会との連携も大切

 「ごみの減量化及びリサイクルの推進に向けたシステムの確立」をテーマとする第4章では、学校でのごみ処理は各校の実態に即して意図的・計画的な取り組みが求められ、そのためにはごみ処理に関する組織を設置することが有効としながらも、その際には組織の設置の目的や狙いなど趣旨の徹底が必要で、児童・生徒、教職員の共通理解を得ることが大切と強調。そのため全校集会などを利用して説明を行うことも必要と指摘している。

 またシステムの確立のためには地域社会との連携が不可欠とし、ごみ処理に関わる市町村や回収業者との連携を強化していくことが大切としている。同時に自治会やPTAなどの地域団体が、新聞紙や雑誌、古布などを大量に集めて自主的に資源回収業者に引き渡して取引を行う「集団回収」が実施されている場合、学校がこうした活動を児童・生徒に積極的に紹介。多くの人が広い視野と責任をもって関わっていることを学ばせながら、子どもたち1人ひとりの自覚を育てていくようにすることが望まれるとしている。

 第5章「ごみ処理に向けた意識改革」では、教職員のごみ処理問題についての関心の度合や日常の実践活動は、児童・生徒に与える影響が極めて大きいことから、全教職員が 1、ごみ処理に関して市町村はどのような取り組みを行っているか(地域のごみ処理の実態把握) 2、学校がどのような立場に置かれているか(事業所・教育機関としての役割の把握)3、学校のごみにはどのようなものがあるか(学校のごみの実態把握)4、学校のごみ処理はどのように行われているか(学校のごみ処理、児童・生徒と教職員の意識、校内システムの実態把握)5、学校のごみ減量化のための方策としてどのようなことが考えられるか(ごみの減量化へのアプローチ) 6、学校のごみのリサイクルのための方策としてどのようなことが考えられるか(ごみのリサイクルへのアプローチ)−−に関して共通理解しておく必要があると指摘。同時に子どもたちへの環境教育を行うことについても大切としている。

 ■参考事例■
▽「市内の学校の一元的なごみ処理の実施と学校向けマニュアルの作成」
(北海道帯広市教育委員会)
▽「社会科の授業を中心に行政サイドとの連携を図った環境教育」
(秋田県湯沢市立須川小学校)
▽「児童集会における環境教育の学習成果の発表」
(宮城県気仙沼市立松岩小学校)
▽「学校をステーションとした地域の資源ごみの回収」
(群馬県高崎市立南八幡小学校)
▽「教職員による環境教育に関する研究とその実践」
(熊本県水俣市立水俣第二中学校)
▽「全校生徒による生ごみの堆肥化とその活動を通した地域との交流」(熊本県高森町立高森東中学校)▽「クラブ活動を中心としたごみの分別・リサイクルへの取組と校内外への啓発活動」(富山県立富山女子高等学校)
▽「焼却炉の廃止を機とした環境問題に対する生徒の意識の育成」
(京都府立海洋高等学校)
▽「リサイクル活動を取り入れた作業学習による環境教育」
(東京都矢口養護学校)

(教育家庭新聞99年4月17日号)