牛レバー生食注意!

野菜も十分に洗浄を

 厚生省はさきごろ、平成10年度に実施した「食品中の食中毒菌汚染実態調査」の結果をまとめ発表した。汚染食品の排除など食中毒の発生を未然に防ぐための対策を図るため、流通食品の細菌汚染実態を把握するのが目的。中央卸売市場を管轄する全国20自治体に調査を委託していた。

 対象食品は、主に生食される野菜(ダイコン、ニンジン、キャベツ、ネギ、レタス、キュウリ、トマト、タマネギ、かいわれダイコン、アルファルファ)と食肉(ミンチ肉、生食用と称して販売されている牛レバー)。これらについて、1、E.coli(一般的な大腸菌)2、腸管出血性大腸菌O1573サルモネラの3、種類について調査した=上表参照=。
 野菜類については、アルファルファの4検体(同一製造者)からサルモネラが検出されたが、他の野菜からは懸念されていたサルモネラとO157は検出されなかった。また肉類については、ミンチ肉、生食用牛レバーにE.coliによる汚染が高率で見られたほか、ミンチ肉40件と生食用牛レバーがサルモネラに、生食用牛レバー2件がO157にそれぞれ汚染されていた。

 今回の結果について厚生省では、生産段階における衛生管理を所管する農水省に対して情報を提供すると同時に、衛生上注意が必要な事項として以下の3点について営業者、消費者双方に注意を喚起している。
 ▽ミンチ肉は加熱後に摂取する食材であるが、汚染されていることも考えられるので家庭や調理場での保存に十分注意し、適切な加熱調理を行うなど二次汚染防止を徹底する。
 ▽生食用レバーは結果的に不適切な食材が多かったことから、自治体から飲食店などに対して十分な指導を行うとともに消費者に対しても啓発していく。
 ▽野菜類は調理場での洗浄、保存に十分注意し、加熱する場合には適切な調理をして二次汚染の防止を徹底する。

(教育家庭新聞99年4月17日号)