初の東西一本化で開催

             宮崎県で第49回全国学校給食大会  

                    10月22,23日
 

全国から1800人が参加 

「第49回全国学校給食研究協議大会」が宮崎県の宮崎シーガイアで10月22、23日に開催された。これまで東日本と西日本で開催していた同研究協議大会だが、今回初めて一本化された。全国から各教育委員会の関係者や学校長、教員、学校栄養職員、学校給食調理員らおよそ1800人が集まった。大会テーマは「たくましく生きる力を育む学校給食の推進」。
 開会式では森田健作文部政務次官が「食に関する指導は、それによって子どもたちが得た知識を適切な食生活を形成することに役立たせていかなければならない」とあいさつ。その後平成10年度学校給食表彰式が行われ、学校給食優良学校47、共同調理場12、学校給食功労者24人が表彰された。
 

シンポジウムは調理場の衛生管理について 

 初日の午後には「食中毒防止のための衛生管理の進め方」というテーマで、金田雅代文部省体育局学校健康教育課学校給食調査官をコーディネーターとして共立薬科大学客員教授中村明子氏、学校食事研究会事務局長阿部裕吉氏、読売新聞論説委員馬場練成氏によってシンポジウムが行われた。文部省が行っている衛生管理の巡回指導でわかったいくつかの問題点に「二次汚染の認識不足」「衛生管理の不備」「不適切な洗浄作業」をあげた。細菌に対して、「つけない・増やさない・殺す」ために具体的にどうすればいいのかということが徹底されていないことを指摘。また食中毒が起こった時、原因不明の場合が多いことを指摘し、必ず記録をとることを強調した。学校現場の実態としては校長が学校給食について関与していない場合が多い現状を強く非難。学校長がトップに立っておいしく安全な給食にしていかなければならないとした。


ドライシステムの徹底を(衛生管理部会より) 

 2日目は第1分科会から第7分科会までに分かれてそれぞれ協議が行われた。調理員が多く集まった衛生管理部会では、調理場ドライシステムについて討論が進んだ。床のはね水による二次汚染が食中毒の原因になっているとして、床に一滴も水を落とさないドライシステムの徹底が急がれている。古いウェットシステムの調理場をいかに工夫してドライにしていくかというのが、現在多くの調理場が抱えている問題。ドライシステムの調理場でも、一度誰かが水を撒いてしまえばたちまちウェットになってしまったり、洗浄の際に床に水をまくと見た目はきれいになった気がすることもあって、なかなかドライを保つことは難しいという現場の声もあがった。
 金田調査官は「ウェットシステムが調理場の大半を占めているのが現状ですが、限られた施設の中でいかに工夫してドライに保つかが重要です。なせドライ化しなければならないのかというところから調理員の意識づけを図っていき、一人ひとりの子どものことを考え、衛生的でおいしく楽しく食べられることを第一に考えて欲しい」と述べた。ドライシステム化、ダンボールなどは持ち込まないよう専用容器の使用、過剰な洗浄・消毒の見直し、学校給食に携わるものの共通理解などの改善に努めるようにとまとめた。

(教育家庭新聞98年11月14日)