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実践講座 PTA広報誌Q&A
<第1回> 2004年6月12日号掲載

 初めて広報委員を引き受けてしまいました。昨年度の委員長さんとの引継ぎでは、今まで通りに、無難に発行していけばよいといわれました。なぜ作るのかも分からないままに、第1学期号の編集を進めています。発行目的や第1学期号でどんなことを注意したらよいかなどを教えてほしいと思います。




 学校の数だけPTAあるいは父母教師の会があり、ほとんどのPTAで広報紙を発行しています。名称の方は、会報、新聞、広報、だよりなどさまざまですがその内容は似たり寄ったりで、学校行事の報告を載せたり、生徒の意識調査の結果を特集しているものが多いです。PTA広報紙の役割を理解していない人たちがとても多いように思えます。広報紙はあるものが前提となっていて「なぜ発行するの?」という素朴な疑問に答えることもなかったからです。また、何としてでも広報紙を発行しなければならないという使命感だけで活動している委員会もみかけます。使命感を持つことは大切なことですが、それだけでは、読まれる、考えさせる広報紙はつくれません。PTA広報紙の目的をしっかり押さえておくことが大事です。

 まず、PTA(父母と教師の会)というのは、戦後まもなく昭和22年3月の文部省の通達にもとづいて作られました。その目的は「父母と教師がそれぞれの立場を尊重し合いながら、共に協力して、家庭と学校における児童・生徒の幸せをはかる」というものです。この目的を達成するために全会員に配られるPTA広報(会報)のはたす役割は、PTAの諸活動が見えることが重要です。広報発行のねらいも最終的にはここにたどりつくわけですが、具体的には次の5つにまとめることができます。

1 PTAという組織(会)の機関紙です。PTA行事・委員会活動(今後の予定が中心)などを会員に知らせます。たとえばサッカーチームのファンの会に入ったとします。会員が知りたいのは今後の試合予定と選手紹介などではないでしょうか。

2 PTAという会の歩みを記録します。活動結果については記録されないことが多くまた、今後、PTA活動に多くの人の参加を促すような記事にするとよいです。

3 PTAの諸問題や学校教育、家庭教育などについて、分かりやすく解説したり、情報などを提供します。

4 会員の学校・教育に関する意識の向上をはかるとともに、学校や学校をとりまく環境を改善し、子どもの教育の向上を促します。

5 理想的なPTAを目ざして、会員に協力してもらったり、理解してもらうなども必要。広報の紙面を通して、会員を啓発し、好ましい方向に向けさせる働きを持ちます。

 この5つのことをバランスよく取り上げていくことが大事です。また、迷った時はこの5つの目的に合うかどうかを考えて企画・編集をしてほしいです。1学期号は1日でも早く発行することです。また、あいさつ文の季節の言葉は、発行日に合わせて書き直してもらって下さい。

全国新聞教育研究協議会会長・鈴木伸男(町田市立第二中学校長)