「FROMKIDS」を活用して

初心者の先生も安心 全学年で情報リテラシー教育
茨城県友部町立宍戸小学校

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 情報リテラシーを体系的に学べる「FROMKIDS 1stステップ」(発売・日立公共システムサービス)を利用している宍戸小学校。
 同校は98年10月にコンピュータを導入し、99年4月から「FROMKIDS」の利用を開始している。
 大島先生は、「コンピュータに慣れていない先生にとっては、コンピュータルームに入ること自体恐怖なのです。それだけにコンピュータを使った授業で何をどう教えていいかわからず迷います。しかし、『FROMKIDS』なら、流れに沿っていけばいいので安心しているようです」と語る。
 同ソフトにはティーチャーズガイドが用意されており、そのティーチャーズガイドに沿って授業を進めることができる。
 ドリルなどの教材もソフトの中にファイルが入っているため、授業準備の時間を大幅に節約できる。また、ソフトに付随した児童用「ワークブック」で、パソコンだけでなく紙の上での学習もカバーしている。
 これまで、どうしてもコンピュータに詳しい先生が、不慣れな先生をカバーすることが多かったが、この「FROMKIDS」の場合はコンピュータに詳しい先生の負担を軽減する効果があると、大島先生は感じているという。
 「コンピュータにある程度詳しい先生ならば、自分で授業を組み立てることができますが、教師全員がそれができるということではないので、ティーチャーズガイドが役に立っています」。宍
 
●自ら学び考える力を
 「FROMKIDS 1stステップ ・けんじ と たんけん・」は、20話からなるストーリー形式で、マウスの操作やキーボード、お絵かきなどを流れに沿って学習できる。各話の冒頭にはアニメーションが効果的に使われているため、子どもたちの興味をひきつけ、学習を意欲的にさせることができる。
 「導入部のアニメーションはとても楽しんでいるようです。子ども向けになっていて面白く、遊び心もたっぷりあるのがいいですね」(大島先生)。
 宍戸小のコンピュータルームでは、ヘッドホンを置いていないため、冒頭部分のアニメーションはプロジェクタを使い一度に子どもたちに見せ、その後各パソコンでリテラシーを学んだり作品を作ったりしているという。
 進度の速い子どもたちは、課題が終わった後、ゲームやキッドピクスでのお絵かきなどをしてもよく、各自が教師に頼らずにパソコンを触りながら、アニメーション作りなどに挑戦している。
 「子どもたちはパソコンの授業を楽しみにしています。子どもがパソコンを触っているうちに、様々な機能を発見していたり、私も知らないことを知っていたりします。漢字ドリルなどもパズル感覚で解いているようですね」(大島先生)。
 同校では、「FROMKIDS」を導入して1年。1学年から6学年まで、週1時間をコンピュータ教育にあてている。単元的には、ほぼ半分を教えたところ。
 3月に卒業した6年生は、ハイパーキューブを「FROMKIDS」で利用していたことから、キューブワード、キューブカルクの使い方にも慣れており、百科事典で調べ学習をした結果、「歴史人物新聞」をキューブワードで作成するなどの実践が行われている。
 今後導入される「総合的な学習の時間」へのコンピュータの活用は?とたずねると、「高学年にはテーマに沿った調べ学習を考えてプログラムを組んでいます。あくまでも子どもが主体です。その道具の一つとしてパソコンを使うことを考えています」と大島先生は力強く語っていた。
 6年間「FROMKIDS」を利用した情報リテラシー教育と、総合的な学習の一環としての情報活用を通した集大成として、いつか6年生の卒業文集作りをしてみたいと大島先生は考えているようだ。
(教育家庭新聞2000年4月1日号)