グループウェアソフトを活発に活用

自分のHP持つ子も
千葉県市川市立妙典小学校

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 平成11年度に開校した千葉県市川市立妙典小学校(児童数557人)は、図書館教育で有名な市川市のインテリジェントスクールである。1階には、広々としたセンターホールと図書館も兼ねた8台のコンピュータがあるメディアスペース、そして23台のコンピュータスペース。2階から4階の学年の教室は、オープンスクール形式で教室と廊下の間には仕切りがなく、廊下はワークスペースとなっている。そして、各階の中央にあるオープンスペースには、校内LANに接続されたコンピュータが3〜4台ずつ。その脇には、ワゴンに実物投影機、ビデオデッキなどが乗せられ、各教室に持ち運びできるようになっている。

 インターネットには、専用線で接続。コンピュータスペース、メディアスペース、職員室、2〜4階のオープンスペース、理科室、音楽室、家庭科室、図工室、相談室が校内LANで結ばれ、インターネットに接続できる(一部の部屋には、現在コンピュータを未設置)。また1階の準備室には、自校の公開用のWWWサーバー、校内用サーバー、プロキシサーバー、ファイアーウォールなどが置かれている。メールアドレスは職員全員とクラスごとに発行されているが、自校にサーバーがある分、さまざまな活用が可能になっている。

 データベースに学習内容を登録
 開校して1年あまりだが、コンピュータ、インターネットとも授業や休み時間の遊びに良く使われているようだ。取材した時間も、高学年の社会科の学習などに利用されていた。
 中でも「スタディノート」という、ネットワーク上でみんなが共同で書き込みができたり作品の発表ができる教育用グループウェアソフトが「非常に評判が良く、休み時間も含めて遊びの延長で使われている」とコンピュータの専任担当の岩橋郁郎先生。
 同ソフトには、「データベース」「掲示板」「電子メール」などの機能があるが、例えば、運動会の詩を作ってデータベースに登録し、その詩をお互いに見合って感想をつけあう学習を展開する。6年生の修学旅行の写真をデジカメで撮り感想文に貼りつけて保存したり、図工で江戸川について描いた絵そのものをデジタルカメラで撮り直して貼りつけ、創作のコメントを付ける。自分発見データベースを作る、など活用。
 「データとして保存して残しておけるのは、すごいこと。今まではやりたいと思ってもできなかったことができるようになっている」とソフトやデジタルカメラなどの周辺機器を複合して使うメリットを岩橋先生は語る。

 「掲示板」は休み時間に子どもたちが遊び感覚で、自分の描いた絵や作品を掲示して、・自慢・したりすることに使われている。6年生の児童で、無料でホームページを作れるサービスを利用して作った自分のホームページに飛べるように掲示板にリンクを作っているという例も。その子どもに触発されて、スタディノートでお薦めのリンク集を作って掲示板に入れて、他の子どもに紹介している子どももいる。
 休み時間はインターネット上のゲームが大人気だという。
 「遊びでも使える、と分からないと慣れていかないので、特にインターネットの利用について休み時間も制限していません。有害サイトに入った痕跡もなく、小学生の場合は割合周りの目を気にするので、大丈夫ではないでしょうか」
 当初予定されていた情報コンセントは教室にはついていないが、テレビの映像入力端子が黒板下のコンセントで取れるように配線されている。そのコンセントにワゴンで運んできた実物投影機のプラグを差し込み、資料や物体をテレビで映し出して授業に盛んに利用されている。また、デジカメの映像も同じようにテレビで見せたりしている。
 「学校を地域コミュニティの拠点に」という市川市の教育施策は同校でも息づき、PTAのコンピュータ講座や音楽家によるミニコンサート、工芸家による展示なども行われている。
(教育家庭新聞2000年6月3日号)