情報リテラシー培うこと目標に

各学年15〜20時間 体系的ソフトを利用し
千葉県木更津市立岩根小学校

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 海風が年間を通して吹き付ける千葉県木更津市立岩根小学校(千葉和男校長、児童数443名)は、今年度総合的な学習の時間を3年生で55時間、4〜6年生で70時間教育課程に位置づけ、干潟の学習や土器作りといった課題解決学習とともに、3年生以上は総合的な学習の中で各学年15〜20時間を、情報活用能力の育成に当てる計画である。

 「これまで算数の時間にマウスの動かし方やCD−ROMの入れ方などを教えなければならなかったが、それは算数の学習ではない。情報リテラシーの基本は総合的な学習の時間で習い、授業の中では教科の基礎基本をしっかりと習得させるため、コンピュータの特性を生かして教科の学習を定着・発展させるような形で情報機器を使っていきたい」と教務主任の宮本育夫先生。
 総合的な学習の時間で情報活用能力を育成するために活用しているのが、20話からなるストーリー形式で情報リテラシーを初歩から応用まで体系的に学べるソフト「FROMKIDS(フロムキッズ)」(発売=日立公共システムサービスhttp://www.hitachi-ks.co.jp/fromkids/)。「子どもたちにとって入りやすいので、総合的な学習の時間におけるリテラシー教育のために、フロムキッズを選んだ。1、2年生も、生活科と学級活動の中で楽しみながら身につけられる。同じ内容でも、いろいろなメニューが仕組まれているので、コンピュータの扱いにレベル差があっても抵抗感がなく、慣れた子も不慣れな子も満足できる」と宮本先生は使用するソフトの利点を語る。

 取材した時間には、4〜6年のコンピュータクラブの子どもたち12人がフロムキッズの第1話「トレーニングルーム」でクリック、ダブルクリック、ドラッグといったマウス操作を練習。すごろくゲーム、神経衰弱、絵合わせパズルをしていくことでマウスの操作を覚えられる仕組みで、絵の種類やピース数もレベルに応じて変えられるように工夫されている。

 子どもたちは熱心に画面を見つめながら操作し、その後、各話ごとに設定されているパスワードを入力して、お絵描きや地図作りなど、それぞれ興味のある項目にチャレンジしていった。
 同校にコンピュータの最新機種20台が導入されたのは、昨年10月。現在は月38時間ぐらい、算数や国語、社会などの教科の中で、必要に応じてコンピュータで学習指導用ソフトやドリルソフトを、担任及びT・T担当の押見一秀先生とのティームティーチングで活用している。
 インターネットには今年9月に、市内の全小学校が教育センターを経由して専用線で接続できる予定。宮本先生は「高学年の社会科などの調べ学習で使えるようになると思う」と期待を寄せるが、木更津市にはNETS(http://www.nets21.ac/)という有志の教員からなる団体があり、そこで授業で活用したホームページをデータベース化したり、校内LAN構築の支援や地域の研修の支援を計画している。
(教育家庭新聞2000年6月3日号)