コンクールに3年生全員が出品

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東金女子高等学校
100Mbps校内LANの活用


↑高橋邦夫校長

 日本においてインターネットの教育利用がスタートした初期から、ザ・ナインプラネッツ日本語版やネチケットガイドライン日本語版など優れたコンテンツをホームページ上で発信している私立東金女子高等学校(千葉県)。

 同校は、アライドテレシス社のギガビットバックボーンなどを導入。3つのコンピュータ教室、進路指導室、職員室、事務室、学生ホール、そして各教室を、高速100Mビット/秒のスイッチングハブでむすんだ校内LANを構築。端末180台以上、どのコンピュータからもインターネットに接続する環境を実現している。
 ビデオサーバーと、各教室に1台ずつコンピュータと大型テレビも導入してマルチメディア化。教室で有益なビデオコンテンツの視聴や校内のクラス同士や他校とテレビ会議をする体勢も整えている。

 「近く、もう一台サーバーを設置し、全教師・生徒1人ひとりのホームディレクトリを作る予定です」と4月に第5代校長に就任した高橋邦夫校長。
 校内のどの端末を使っても、自分の環境のデスクトップが立ち上げられる、フロッピーではなく自分のホームディレクトリにデータを蓄積できるようにする。また、電子メールの情報などもそこに保存される。
 現在は希望者だけのメールアカウントを、「1年生から全員に発行してあげたい。メールの活用を必修化したい」と高橋校長は意欲的。
 同校では、コンピュータの色彩表現能力を生かした、色彩教育に力を入れている。1年生で「文書処理」(ワープロ)、2・3年生で「コンピュータ・デザイン」「情報処理」などを全員が履修し、コンピュータやインターネットの基本操作とともに、色彩理論を身につける。色の構成やデザインなど色彩に関することを勉強する。そして、色彩能力検定やカラーコーディネーター検定を受け資格を取得する。
 「色彩感覚はこれから、ますます重要になる。高校生の頃は感性が豊かで、表現する手段があれば、いくらでも良いものを作れる。知識を学んで色彩感覚に磨きをかけ、的確に表現する技術を養わせたい」

 毎年2学期の終わりに、コンピュータ・グラフィック・アーツ・コンクールを開催し、3年生の全員が出品する。生徒は放課後も使い、豊かなイメージの作品を仕上げてくる。
 学園祭のポスターやカラーの「東金女子高新聞」も生徒が作る。組み版まで生徒が行い、印刷だけ外注する。カラー新聞を版下まで生徒が作ると、白黒の新聞を全て外注で作るのと同じコストで上がるという。
 校内には、各階に時間割などの情報掲示用の端末が1台。生徒の談笑の場となる学生ホールにもインターネットに接続したiMac5台が置かれている。
 明治20年に創立と歴史のある同校は一般コース、情報コース、国際コースを持つ。来年からは、男女共学に移行する。「情報関係を今以上に充実させたい。そして、進学や福祉教育にも力を入れていきたい」と高橋校長は抱負を語る。

(教育家庭新聞99年7月3日号)