情報機器活用し研究発表

東村山市立化成小学校
児童が視覚的にプレゼン

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 12月2日(木)、東村山市教育委員会より平成10・11年度研究奨励校の指定を受けている東村山市立化成小学校(竹村保俊校長)において、「かかわりを大切にする児童の育成」を研究主題とした総合的な学習に関する研究発表会が開催された。1年生から6年生までの公開授業に続いて、同校教諭による研究発表が行われた。

 「今、わたしたちにできること」をテーマとした卒業研究に取り組んでいる6年生は、環境(ケナフ、リサイクルセンター、古本やアルミ缶のリサイクル、学校周辺の公園や川、ごみ問題)、国際(国際ボランティア)、地域(地域の歴史マップ)、福祉(老人ホーム、障害者・バリアフリー、手話、点字、盲導犬)、文化・教育(保育園、化成小の歴史)などを各々の研究課題に持つ、18グループに分かれて同校体育館で合同発表を行った。
 発表資料は、デジタルカメラなどから取りこんだ画像や、ペイントソフトによって作成した画像が多く使用されており、パソコンを中心とする情報機器が効率よく運用されている。
 研究に用いる資料は、図書のみならず、教室や学校を離れた地域とのふれあい体験を基に収集され、作文・図式化・作表を経て最終的にパソコンを用いて表現されていた。公開発表の場となった体育館では、各グループが発表資料をパソコンモニターに出力しながら、大きな声で元気良く発表した。
 今回の公開授業は2時間という比較的長時間の発表だったが、18グループが1時間交替で発表する側と聞く側に分かれ、発表するグループは1回につき15分程度の発表を3回行っていた。児童が発表する間、指導する先生は発表する時の声の大きさや集中力の持続について、児童に注意を促していた。
 同校が総合的学習に対して行っている工夫は、主に次の7点。1児童の興味・関心・願望を適切に受けとめ、児童一人ひとりの課題意識を高め、主体的に取り組ませる工夫、2かかわりの中で地域をよく知り、他者への思いやりを育むことができる体験活動の重視、3話すこと・聞くことの日常的な指導の徹底、4発表の場の設定などによる表現力の育成、5学年による合同学習と異学年のグループ学習、6児童中心の学習への転換、7過程重視による評価と意欲を促す肯定的評価など。
 また、学習環境を向上させるために実施していることは、「学習の支援・助言を与える教育ボランティアの導入」、「学級の枠を超えて学年全体で、複数の教師が児童一人ひとりにきめ細やかな指導をする協力授業(T・T)の推進」、「地域内の公共施設、文化サークルやボランティア団体などとのネットワークづくりの推進(とくに白十字ホームとの里孫制度を通じた交流)」、「電子メールや電子掲示板による情報交換、インターネットによる情報収集などの情報活用能力を育成する情報環境の充実」、「地域の施設、自然、文化遺産などの知識を深める地域マップの作成」、「作物の栽培を通じて働くことの大切さや喜びを体得し、自然に対する観察力や愛情を養うための農園の環境作り」、などが含まれる。

 このように、昨年12月の新学習指導要領が公示されて以来、教育改革が進行する中で新しい教育の流れを構築するために、同校では総合的学習の創造をさらに深め、研究を進めていく方針である。
(教育家庭新聞99年12月18日号)