教室環境を検討へ
天井高など基準を見直し
文科省
多くの学校で多目的スペースやコンピュータスペースなどが設置されるなど、教室の種類や空間構成などが変化している中、文部科学省は「教室等の室内環境に関する調査研究委員会」を設置。現行の教室の天井高や採光面積などの基準の見直しの検討を、昨年12月からはじめた。
調査研究の期間は、平成16年3月まで。
主な検討項目は次の通り。
〇教室等の室内環境に係る現行基準等に関する課題
・日本における教室等の室内環境に関する基準の現状とこれまでの変遷▽・諸外国における教室等の室内環境に関する基準の把握等
〇教室等の室内環境に影響を及ぼす諸要因の変化
・教育内容や教育方法における変化(多目的スペースや多彩な学校用家具の導入等)▽・建築設備における変化(換気・暖房・照明設備等の性能の変化)▽・環境面における社会的要請の変化(省エネの配慮等)等
〇学校種別や空間種別等による室内環境の要求性能
・考慮すべき環境要素=照度/音/空気/心理面等
(教室等の高さ・奥行き・容積等)▽・学校種別による違い=小学校/中学校/高等学校/大学等▽・空間種別による違い=普通教室/特別教室/多目的スペース/コンピュータスペース等
〇教室等の室内環境に係る基準等の改善
・今後の教室等の室内環境の基本的な考え方▽・多様かつ弾力的な建築・設備上の基準等の在り方等
(参考)学校の教室に係る現行建築基準法令における主な規定
〇教室の天井高に関する規定(建築基準法施行令第21条関係 昭和25年制定)
学校の教室の天井高さは、3m以上でなければならない。
(床面積が50平方メートル以下の教室や、専修学校、各種学校及び幼稚園の教室については、2.1m以上)
調査研究委員
安孫子義彦・(株)ジェス代表取締役▽飯田重雄・大阪市教育委員会事務局総務部整備課長▽上野淳・東京都立大学大学院工学研究科教授▽大島寛・文部科学省大臣官房文教施設部施設企画課長▽鎌田元康・東京大学大学院工学系研究科教授▽鬼頭英明・文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課健康教育調査官▽木村秀雄・(有)万建築設計事務所代表取締役▽倉斗綾子・コクヨ(株)公共家具事業部▽佐久間哲哉・東京大学大学院新領域創成科学研究科助教授▽佐々木宏・国土交通省住宅局建築指導課長▽栂野陽・東京都教育庁学務部営繕課長▽永田明寛・東京都立大学大学院工学研究科助教授▽橋本都子・千葉工業大学工業デザイン学科助教授▽平手小太郎・東京大学大学院工学系研究科助教授▽宮本文人・東京工業大学文教施設研究開発センター助教授▽諸貫幹夫・(株)巴コーポレーション建設設計部統括部長▽柳澤要・千葉大学工学部デザイン工学科助教授
【2003年2月1日号】