来た来た!! 新教科「情報」
日本福祉大学メディア教育センター 影戸誠助教授
Interview
教育マルチメディア新聞2001年11月3日号
 再来年度から高校の教科に新たに「情報」が加わる。
 「今までのコンピュータ教育とどう差別化して取り組んでいけばよいのか?」…弊社のメールマガジンや教員が参加しているメーリングリストには現在、「情報」に対する課題や悩みが多く寄せられている。そこで今回、来る2003年度に向け、「情報」担当教員が抱える質問・疑問を、弊紙連載中の若宮商業高校(現・日本福祉大学メディア教育センター)・影戸誠先生に聞いた。

 「あらためて教科・情報・の位置付けについて」

A 「新指導要領では、高校・情報・はA、B、Cと3科目に分類されます。情報Aは情報活用の実践力を中心とし、情報Bは情報の科学的な理解を主に指導、情報Cでは情報社会に参画する態度を重点的に指導します」

 「『情報』では、講義よりも総合実習に一層重きが置かれているようですが」

 「これまで熱心に指導されてきたネットワークの仕組みやデータ収集といった『科学的な理解』を経て、総合実習をより重点的に行うことではじめて・情報社会に参画する態度・の育成が実現します。培ってきた知識や技術を生かし、発表・評価・Webへの発信を積極的に行い、またコミュニケーションを体験させる場面が必要となります」

 「『情報』担当教員に求められるものは」

 「未だコンピュータの操作能力だけが・情報教育・と勘違いされている感がありますが、ITとIC(コミュニケーション)Tは明確に区別されなければなりません。教師はコンピュータのインストラクターではありません。生徒が育つための情報活用の場を設定し、体験させることが大切。時間ごとのプロダクト(成果物)も生徒を励まし、やる気にさせる大きな要因です。ネットワーク・デジタルの理解をもとに作品製作、発表といった実践が一番の生徒の力になると思います。これらの作品の軌跡が生徒自信に『変化し成長する自分自身』を見せてくれることになると思います。総合実習を含め、日常の生活でもネットワークを用いて情報の共有・発信できる場面を提供したいですね」

 「実習を行う上でリテラシーをどのように指導していけばよいでしょうか」

 「ものづくりの過程で新しいスキルを習得できるよう、作品制作などの課題を設定するといいでしょう。市販のCD−ROMなどを活用し、効率よく指導を進めるのもひとつの方法です」