学び全体の情報化へ

「教育の情報化推進事業」

63件のテーマが採択


 通産省と情報処理振興事業協会(IPA)が平成10年度第一次補正予算事業として公募していた「教育の情報化推進事業」で、全国から応募のあった387件の提案の中から63件のテーマが採択され発表された。
 事業は、小・中・高校や大学、地域、生涯学習など学び全般の情報化に関わるテーマが採択されている。
 各テーマとも、学習や研修に関わる実証実験が今年中に行われ、平成12年1月を目途にソフトウェアなど成果物が情報処理振興事業協会に納品される。その後有償または無償で、事業の成果物が社会に還元されていく予定。
 採択されたテーマのうち、ホームページの活用に関わるテーマ(かっこ内は申請者)は、・有害情報を排除する小中学校用ブラウザ、学校間リアルタイム双方向コンピュータ討論会ソフトなどの開発・(飯能ケーブルテレビ)、・「総合的な学習」「情報教育」に対応した学習コンテンツ、学習素材DB、子供向けグループウェアツールの開発・(こねっと・プラン教育コンテンツ開発研究会)、教育に活用できるコンテンツを、一般にホームページで公開されている無償コンテンツと有償コンテンツから収集しDB化する・(東洋情報システム)、などが上がっている。
 また、教員の情報化にかかわるテーマはかなり多く、・情報化推進コーディネータ・リーダ養成のためのカリキュラム・教材開発・(日本教育工学振興会)、・小学校情報教育主任研修などに資する遠隔研修支援システムの開発・(日本アイ・ビー・エム)、・インターネット上に情報教育指導者を対象とした仮想研修センターを構築・(エスシーシー)、・公立小中高校の司書教諭、教師、サポートSE向けの研修支援システム開発・(コンピュータ教育開発センター)などのほか、数多くのテーマが採択されている。
 さらに、新しいタイプのソフトウェア・システムの開発に関わるテーマとして、・小学校3〜6年生向けに特化した、インターネットの操作を学習するシステムの開発・(富士通ラーニングメディア)、・小中学生向けにプログラミング、マルチメディア制作、コミュニケーション等の機能を持つ教育用統合ソフトの開発・(データポップ)、・小学生向けテキスト入力練習機能・(日本ビーコム)、・小中学生を対象にパソコンの仕組みをゲーム、クイズ形式で理解させるコンテンツの開発・(日本電子開発)、遠隔同時グループ学習を実現する基盤システム(テレプレゼンス環境)の開発(慶應義塾大学)、などが採択されている。

(教育家庭新聞99年2月6日号)