衛星通信研修が開始

時間や地理的制約超えて

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 文部省と国立教育会館では、地方にいながら全国規模の研修に参加できるなどのメリットを持つ教育情報衛星通信ネットワーク(el−Net〈エル・ネット〉)を使った衛星通信研修(el−STEP〈エル・ステップ〉)を7月7日、本格スタートさせた。

 衛星通信研修は、講義を配信する議長局と、双方向で質問や議論が行える参加局、視聴のみが可能な視聴局(質問はFAXで)からなる。
 7月7日、衛星通信研修の開校にあたり、文部省とつくば市の国立教育会館学校教育研修所(議長局)、参加局(3局)、視聴局(20局)を結んでレセプションと情報教育基礎研修講座が行われた。
 森田健作政務次官は「全国の教育センターで、衛星通信を利用した研修を行っていくことで、これまでの時間的・地理的な制約や会場の広さによる制限などの問題が解決され、リアルタイムに広範囲に、多数の人が参加可能となった。受講した先生は、各学校の情報化の中心となって、活躍されることを期待している」と挨拶。
 また、日比岐阜県教育長が「衛星通信により、効果的な研修が期待される。岐阜県でも教育センターを通じて活用していきたい」とメッセージを送った。
 レセプション後、引き続き小学校の教員と指導主事を対象とした情報教育基礎研修講座が2日間にわたり実施され、「小学校における情報活用能力の育成」(赤堀侃司・東京工業大学教授)、「小学校『総合的な学習の時間』におけるコンピュータの活用」(永野和男・静岡大学教授)、「コンピュータの活用事例」(石原一彦・大津市立瀬田小学校教諭、林美幸・輪之内町立大藪小学校教諭)、「指導体制の充実」(松田實・全国視聴覚教育連盟主席専門員)などの講義と発表が行われた。

 衛星通信研修はこの後、学校カウンセリング研修や中学校を対象とした情報教育基礎研修、進路指導研修、ボランティア活動セミナーなどが実施される。
 また、エルネットを活用し、文部省教科調査官による新学習指導要領に関する説明会なども随時行われていく。
(教育家庭新聞99年8月7日号)