大阪市の教育ネットワーク
全校をインターネットでLAN接続
大阪市は平成8年度から 5か年計画で、市立学校461校(小・中・高校・養護教育諸学校)全てにコンピュ-タを整備し、インタ-ネットにつなぐ情報教育推進事業を進めている。
この事業で特筆されるのは、全ての学校に校内LANを構築し、各学校にインターネット用のサーバーとル-タ-を入れて、学校にある全ての端末からインタ-ネットにアスセスできるようにしていることである。昨年度は約110校にインターネット環境が整備された。
つまり小学校ではパソコン教室にある21台、中学・高校で41台、養護教育諸学校で7台のパソコンと職員室にある1台のパソコンがそれぞれインタ-ネットに接続されている。今年度は約100校に整備される予定だ。
学校の校内LANを一挙にインタ-ネットに接続していくという計画は非常に珍しいが、情報処理教育室主査の北村翼先生は、当初から校内LAN型にした理由をこう語る。「児童・生徒が自分自身で情報を取り出し、自由な発想で課題解決を図っていくためには、すべての端末がインターネットに接続していることが望ましい。また、校内にサーバーを置き、LANを組んでおけば校内の閉じた中でもイントラネットが体験できる」
整備が完了すれば、約1万3千台のパソコンが教育センターを通してインターネットに接続されることになる。
大阪市のシステムでは、教育センターのサーバーから256kbpsの専用線で商用プロバイダ-を通しインターネットに接続される。学校とセンターとは、第3セクターの大阪メディアポートのISDN回線(64kbps)でダイアルアップ接続。センター側では461校がアクセスしてきても十分な回線容量(1500kbpsの回線4本)が準備されている。
一方、学校のサーバーには、ネットワークOSとして、納入業者3社により、それぞれWindowsNTやUNIXが導入されている。OSの管理は業者に任され、導入された学校では基本的にすぐ使えるように設定されている。
ハードの環境整備とともに使う人の研修が必要になるが、大阪市は昨年度から4年間にわたり、1期4日間の情報教育基礎研修を年間22期実施している。これにより、年間800人弱の教員が研修を受けることになる。
この延長でセンターにある内向けの「学校間WWWサーバー」を利用し、市内だけのネットワークの中で、教員の研究活動の交流などに使うことを検討している。
なお、有害情報対策では、センターのサーバーに有害サイトのURLを順次登録しているところで、現在約5700サイトにブロックをかけている。しかし日々Webサイトが変化する状況の中で、「この情報を集めるのがしんどい」という。ただ、基本的にインターネットの利用は教員の指導の下に行うこととし、学校からインタ−ネットへのアクセスはオ−プンにしている。
また、当然各学校のホ−ムペ−ジはセンターのサーバーに持つことができるが、メ-ルアカウントは、各学校3つずつ発行される。将来的にはもっと拡大できるだろうという。
北村主査は、インタ−ネット活用の狙いについて、「一、教室、校種、自治体の壁を超えて、学校間の交流に使ってほしい、二、教師の授業形態に応じ、授業に役立つさまざまなデ-タを取り込んで、活用してもらいたい。三、教師が個別に開発したソフトを登録して共有できるようにすれば、さらに有効性が広がる。四、グロ-ブ計画などのプロジェクトにも積極的に参加してほしい。」と抱負を。
教育センターにあるソフトウェアライブラリセンターが保有する約1300種類のソフトもいずれインターネットを通じて検索できるようにしたい考えだ。
(教育家庭新聞97年9月6日号)