全受験者にパソコン実技

 

大分県が教員試験で初めての実施

 

 大分県教育委員会は、今度の公立学校教員採用試験について、小学校・中学校・高等学校・盲・ろう・養護学校・養護教諭の全受験者を対象にパソコンの実技試験を実施することを決め、五月中旬に発表した実施要項に記載した。

 試験は七月二十日から二十二日にかけて行われ、第一日は一般教養試験などで、パソコンの実技試験は小・中学校、盲・ろう・養護学校、養護教諭の志望者が二十一日に、高等学校の志望者が二十二日に行われる。

 パソコンの実技試験は、昨年度は小学校教諭と特殊教育諸学校の教諭を対象に、「『表計算ソフト』を使用した簡単な成績処理とグラフ作成」を内容に行われたが、今年度は志望者全員に拡大された。内容はウィンドウズ95の基本操作といている。

 教員採用試験でパソコンの実技試験を実施しているのは、石川県(平成四年度試験から)と宮城、神奈川、大分県(以上は平成八年度から)の計四県。内容は大分県を除くと、多くは中学校の技術・家庭科の教諭だけを対象としている。今年度の試験については、この他にも導入県が増えそうで、文部省で現在調査中だ。

 文部省の情報教育実態調査によると、大分県のコンピュータ設置率は小、中、高校とも百%。ただ、一校当たりの設置台数は小学校で二・九台、中学校で十九・0台と少ない。また、コンピュータを操作できる教員の割合も、全校種合わせ二八・七%で、全国平均の四一・三%に比べてかなり低い。

 こうした中で大分県では情報化に向け本腰を入れている。

 文部省でも在職教員の研修に力を入れているが、操作できる教員、指導できる教員の割合はなかなか向上しない。二十一世紀に生きる子どもたちにとって絶対不可欠な情報活用能力を考えるとき、今後大分県のような入り口の充実策が強く求められる。