連載 栄養士さんインタビュー

    第4回 千葉・柏市富勢西小学校栄養士/全国学校栄養士協議会監事

            鈴木允子さん


 特別非常勤講師制度の導入で、今年度の2学期から本格的に学校栄養職員による食の指導が始まる。これまでの現状、これからの学校との関係、指導していくためにまずやらなければならないことはなにかなどを千葉県富勢西小学校学校栄養職員の鈴木允子先生に聞いた。
 

 学校栄養職員が、授業に参加していくには給食主任の先生の協力次第というところがまだ大きいです。主任の先生を経由して、管理職の先生方に、いかに食の指導の大切さを理解させるかが問題となってきます。
 まず、必ずやらなければならないことは給食の時間のクラス訪問です。特に指導するまではいかなくても、子どもたちの食べる様子やクラスの問題を見たりして子どもを知り、また残飯確認することで、次の指導につなげていくのです。先生方は食の指導の大切さについてわかってはいるのですが、どうやって教育に取り入れていくかや、学校栄養職員とのティームティーチングに戸惑っている方が多いのが現状です。まず自分を理解してくれる先生をつくってから、ティームティーチングを行うべきです。
 子どものまえにまず、先生方の意識を変えていくことが重要となります。給食便りには食についての情報をできるだけ多く発信していくのです。その日の献立のメニューについてどう作るのか先生方に聞かれたら、すぐにレシピを用意したりしてきっかけをつくっていくのです。普段のコミュニケーションの中からまず自分を理解してもらうことです。
 

 これからの学校栄養職員は、1時間プロの教師として教壇にたって子どもたちの教育に携わっていかなければなりません。そのためにも今までの補佐的な関わりでなくきちんとした技量を身に付けていくことが必要となっています。今年度が終わる3月には、多くの反省点と改善点をもって来年度の年間指導計画にも入って行けるようにならなければなりません。まだまだ先生方に対する栄養士のPRが足りないんだと思います。
 担任の先生が出張のクラスがあったらその時間をもらえるよう働きかけたりしなければならない。
 教室で指導するためには、まず子どもを知ることです。その子どもはどんな状態か、子どもを知る事で指導法はずいぶんと変わってくるのでしょう。今は、私自身指導書からまねている段階で模索中です。
 

とかく学校栄養職員は、指導の時間がやっともらえたという思いが強く、1時間内に教えすぎてしまうといわれますが、子どもが疲れない程度に余裕をもって指導できるようにならなければいけないと思います。授業の場以外のところでも普段から積極的に子どもに声をかけ指導に携わっていけば授業も簡略化されるでしょう。
 さらに、手品なクイズ、腹話術などさまざまな方法で子どもたちを自分に集中させることもとても大切です。それには、栄養の知識だけを勉強しているのではなく、いろいろなことに興味を持って人間性自体が問われてくるのです。

(教育家庭新聞98年9月12日)