環境に取り組む企業第21回
コニカ 株式会社

信念が末端まで浸透
世界初、独エコラベルを取得

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 『コニカ株式会社は、写真フィルム、印画紙、写真処理剤などの化学製品から、カメラや複写機などの機器製品まで、画像の記録にかかわる領域を幅広くカバーする画像情報企業です。「化学」と「機器」というふたつの異なる分野をもちながら、全製品に製品アセスメント制度を適用し、開発から生産、輸送、販売、使用、リサイクル、廃棄にいたる製品の全ライフサイクルにおいての環境保全活動を推進しています。』と、同社の環境レポート巻頭で、1972年以来約30年“地球環境への負荷を低減する会社”として活動していることを高らかに謳っている。

 7〜8年ほど前のある発表会で米山社長(現会長)が「当社は地球環境を守ることを第一の使命と考えている。設計段階で環境に影響のあるものは容赦なく排除している。」と、当時としては大変進んだ所信を述べていたのが、今でも強い印象として残っている。それだけに全社の環境マネージメントにもトップの信念がびしっと末端まで浸透(佐々木収環境安全推進室課長談=写真=)、環境対策の諸施策で、我が国を代表する先進的な成果を上げている。ISO14001の26事業場取得は当然。その他の主な成果を列挙してみる。

 製品アセスメント(環境事前評価)=1993年以来全製品に導入して以来、企画・設計段階における環境影響評価の手法として定着、1997年発売のカラー印画紙では有機溶剤を30%削減。同年複写機U−BIX3340では部品点数とネジ等の締結要素をともに30%以上削減、複写機の体積と重量も10%削減、世界で初めて、ドイツのエコラベル「BlueAngelMark」取得、日本のエコマーク取得の成果を上げる。
 化学物質の安全管理=我が国の化学会社108社が参加しているRC(レスポンシブル・ケア)活動を推進、化学物質の安全管理活動を1危険有害性物質の削減2新規化学物質の安全性確認3既存化学物質の安全性評価を3本柱として展開。
 安全性確認システム=当社の安全性試験センターは国から認可を得たGLP(優良試験所基準)適合施設。ひとつの化学物質について、人体への影響、環境への影響、引火や爆発の危険性など、10数種の様々な角度からチェックが行われている。
 コージェネレーションシステム=ヨーロッパ諸国では、今後の重要なCO2削減対策として位置付けている一つの熱源から複数の出力エネルギーを得る方式だが、同社は他社に先駆けて1987年日野工場に導入。この10年間に単位生産量当りのCO2を30%以上削減している。
 トナーリサイクルシステム=コピー時に紙に定着されなかったトナーを複写機の中で回収、循環し、再利用するシステム。1996年全複写機に搭載、省資源と廃棄物ゼロを確立。
(教育家庭新聞2000年3月25日号)