学校給食Q&AD

給食でリズム取り戻す

             市川市立宮田小学校 栄養士 風祭咲子


 Q、夏休みを家庭で過ごした子どもたちは、新学期に集中力を欠いたりするそうですが、給食の時間にも食欲など、休み前と違いが見られるのでしょうか? また、それに対して給食の献立などは工夫をしているのでしょうか。


1、集中力を欠く子どもの増加傾向について
 
 集中力を欠く子が増加傾向にあるのは日常的とも言えますが、1か月以上に及ぶ夏季休暇は特に生活全般におけるリズムの乱れが特徴といえます。
 子どもたちにとって期待の夏休みは、家族とのふれあいや開放感溢れる自由闊達な日常によって心身ともに成長する絶好の機会です。生活リズムの乱れは子どもばかりではなく、私たち大人も同様の状況にあるといえます。むしろ大人の乱れが子どもたちに影響を与えていると解釈するのが正解とも思います。起床から就寝までの健康的リズムの崩壊は、食事内容にも波及します。食事の乱れが、生活リズムを乱していくといった相関関係にあると思われます。食事リズムの自己管理カードなどを作成すると参考になるでしょう。
 子どもにとっては「あっという間」の、親にとっては「やれやれ」の気持ちで迎える9月です。精神的に立ち上がることが大切ですが、一日も早く学校を中心にしたリズムを取り戻す援助をします。学校給食の開始は、その中心的な役割を果たしています。
 
2、比較的野菜の少ない食べなれた献立から

 
 新学期の学校給食開始1週間位は、食べ慣れた献立から実施しています。夏ばて等も想定し、付け合わせやデザートにも配慮します。これには学校の食事と家庭の食事をしっかり把握することも行っています。
 
3、全校朝会での朝食指導
 
 飽きることなく言い続けています。「朝ごはんを食べていますか」。
 最近の朝食事情の変化はマスコミでも大きく取り上げていましたが、大変憂慮すべき状況にあります。朝食は午前中の活力の源、朝食を抜いてしまうとどうなるかを話し、腹話術をするなど子どもたちの興味を引く工夫もしながら食べることを指導しています。そして、話しながら子どもたちの状況把握もしています。
教育家庭新聞99年8月19日号)