拝見! パソコンクラブ(1)

市のホームページ作成、大手企業や病院のHPも

幸手高校マルチメディア部
http://www4.justnet.ne.jp/~sattehs/

 企業のホームページや幸手市の公式ホームページの製作など幅広い活動を展開しているのが埼玉県立幸手高校のマルチメディア部。同部の活動は、実社会と結びついているのが、ユニークだ。

 クラブに入部すると、まず自作のタッチタイピングソフトでブラインドタッチを覚え、タグ(HTML言語)から日本語と英語の自分のホームページを作成する。また、部員の生徒たちは、コンピュータで音楽を作曲し、ビデオ片手に運動クラブなどを取材し、PHOTOSHOPで学校紹介の公的なポスターを作り上げたりしている。
 こうした活動の1つの集大成としてあるのがホームページで、「CATVインターネットホームページコンテスト」で奨励賞や「彩の国ホームページコンテスト」で最優秀賞を受賞するなど高い評価を得ている。

 「ホームページも電子メールも自己表現の1つの道具に過ぎない」と指導しているのが顧問の海老原武先生。文章、美術、音楽、映像感覚なども大切にする。たとえば、私立病院のホームページなども製作しているが、企業などから製作の依頼が来ると、まず全員に声をかけ、企画書を作らせ、その内容を説明させる。その中から良い企画を持ってきた生徒を選抜する。
 幸手市のホームページ作成に取組んでいるのは、「Team Pie(チーム・パイ)U」という、65人の部員から選ばれたメンバー7人。共同で部分を担当しながら作り上げるのではなく、1人ひとりが市のホームページ全体を作り上げ、その中から良いものを最終的に選び出す方法をとる。来年3月の開設に向けて、市の担当者とも打ち合わせを重ねている。

 チームリーダーで2年生の門井由美子さんは、「あまり硬い感じではなく、楽しいものに。でもプロに負けない内容のものにしたい」と抱負を。同じく2年生の奈良佐誉子さんは、「大人になってからの経験を今、しているみたい。普通の高校生ではできないようなことができる」と胸を張る。
 同部では、大手有名企業のホームページ作成も手がけ、タウン紙の取材なども手伝う。春には桜の開花情報を毎日、取材。ナレーション付きで写真やアニメーションGIFによる開花情報をホームページに掲載し、人気を得ている。現在、公開のホームページに掲載している情報は生徒作品のほんの一部だが、アニメGIFや自作の壁紙などで生徒たちの実力の一端を知ることができる。

 同校では、2年生全員が情報処理の時間にホームページを作る。また連続4日間の生徒対象の電子メール講座も開講。「大学に行きたい理由」「平和について」などを1000字以上でMS−DOSのコンピュータに入力させたのち、講座終了証とアカウントを発行するというユニークな形態を取っている。

(教育家庭新聞98年10月号)